第二章 彼と彼女の事情
第十七話 奇襲的外交
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A組のみなさんが何を好んでそんな虐めみたいな真似をするってんだ?」
事実、Fクラス単独が正面から戦っても勝てる要素なんてありはしない。
あるとすれば、僕の機関銃による掃射で漸次敵戦力を戦死判定に追い込んで、姫路さんに周辺を守ってもらうという消極的な戦術に限られる。
しかし、この程度の悪あがきなどおそらくAクラスの指導陣ならば突破する策を用いてくるのは目に浮かぶ。
同盟相手のB・C両クラスは新校舎側であり、途中からの参戦に成ったところで、Fクラスにかかる圧力はほぼ変わらないだろう。
それでも超余裕の姿勢を崩さないのは……まぁ理由は一つですね。
「へぇ……受諾条件は?」
こちらの意図を理解して頂けるらしい。
試召戦争では上位クラスから下位クラスへの宣戦布告に対して、実際の戦争とは違い下位クラスは拒否権を持っている。
実際の戦争ならばどこぞの「正義の国」みたく問答無用に言いがかりを付けて、戦争を吹きかけることはある。
しかし、それだと元々から精鋭ぞろいの「Aクラスメンバー」の根城である「Aクラスの施設」という学力向上のための餌は、ただの高嶺の花になってしまう。
そういったバランスの点からの配慮だろうと僕は考えているが、本当のところはどうなのかは知らない。
(交渉役は頼む)
代表殿からアイコンタクトに頷いてみせ、僕は一歩前に出て交渉の窓口に成ることを使者へ示す。
へぇといった様子の木下さんがどうぞと目で促してくる。
Fクラスの皆さんが口をポカンと開けっ放しになっているのが気に入らないが今は気にしても仕方がない。
「対戦は一騎打ちとタッグ戦の合計五試合で先に三勝したほうの勝ち。それら科目選択権及びそれらの試合科目にかかる特殊条件の設定等の権利は全てはこちらの物。そして当然ではありますがこちらの回復試験が終わったときの成績で受けること。これらを飲んで頂けるのでしたらいつでもお受け致しましょう。」
「なっ!!」
実に一方的な条件に目をむく木下さんだったけど、背後の女生徒が一歩前にでる。
「……その程度の小細工で私たちに勝てるというのなら、別に構わない。」
「代表!」
一歩前に出たのは、Aクラス代表、霧島翔子さん。
振り分け試験での学年主席を勝ち得たという才女らしい。
美人と評判のAクラスの御大将自らのご登場にFクラスの皆さんが歓喜乱舞しているのは目に入っていないという体で話を続ける。
「………あなたが雄二の参謀?」
「…えぇ、僭越ながら。」
何だろう、殺気だったものを感じるのは気のせいだろうか。
下手に弱腰で対応し始めた時点から負けるような気がするのだけれど。
僕を凝視していた霧島さんは次に姫路さんをじっと見つめる。
「あの……霧島さん?なんでしょうか……」
姫路さんも戸惑っているのだろう。
「………私たち
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