第伍話『喧嘩狼と喧嘩姫』
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る。
「まあ、ユウになら揉ませてやってもいいけどな。毎日飯食わせて貰ってるわけだし。代金代わりってことで」
ニヤリと怪しい笑みを浮かべながら俺を見る。
「………………結構です」
「今、結構悩んだだろう」
そりゃ悩むよ!!いきなり女の方から「揉ませてやろうか?」なんて言われた男子としては思いっきり揉みししだきたいに決まってんだろう!!
だが!俺はそんな欲望より理性を取る。なにより愛は裏切れない。
「そ、そんなことよりマキ。そろそろ、でないと学校に遅れるんじゃないのか?」
「あ、話し反らしやがった。ま、いいや。確かにそろそろ出ないとヤバイな。そんじゃ、ユウ。晩飯もよろしく〜」
バタンッ
「はぁー……助かったぁ」
さすがに思春期まっただ中の男にはアレは毒すぎる。てか、マキは俺に対してかなり無防備なんだよなぁ。
「まあ、気に入られているって事だから悪い気はしないけど…って、俺もそろそろ出ないと遅刻する」
急いで部屋に戻り制服に着替えて朝食を作った時に作っておいた弁当を鞄に入れて家を出た。
辻堂雄介の純愛ロード
第伍話『喧嘩狼と喧嘩姫』
「お〜い、おはよ。みんな」
「おはよう、雄介。今日はいつもより遅かったね」
「ああ、少し起きるのが遅くなってな(まあ、それ以外にも色々あったけど…)」
みんなと合流した。ちなみに、澪は今日日直なのでもうすでに教室に行っている。
そして、校門を潜ってしばらくすると――――
「愛さん、おはようございます!!」
「「「おはようございます!!」」」
今日も今日とていつものをやっている、辻堂軍団。その真ん中を面倒臭そうに歩く愛。そして、そのすぐ後ろを着いて歩く自称この学園のナンバー2名前は確か『葛西久美子』。彼女に関しては確かにそこらの不良の中ではそこそこ、強い方だと思うが根が単純過ぎるのと喧嘩っ早いのが欠点だ。愛曰く自分の言った事でも三歩歩くと忘れるらしい。
まあ、典型的なアレな子だ。
「飽きずに今日もやっているな。まったく、迷惑なことこの上ない」
「まあ、いいんじゃない。あれのお陰で校門でのキャッチや宗教の勧誘なんかがなくなったんだから」
嫌そうな顔をしながら軍団を眺めている板東に対して大が言う。
「まあ、このことは良いとして。大変なのは雄介の方だな」
「ん?何が?」
「3会の準備の事だよ。」
「ああ〜」
3会とは正しくは『開海会』。この町が毎年行う、海開きのための催し物だ。大した行事はしないが準備係には伝統的に地元の
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