紅霧異変
Part11 パチュリー・ノーレッジ
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は黒い球体が浮かんでいた。
「だが、『裏』の存在に気付いてしまえば、その裏に存在する物を視認できる」
黒い球体を見て、魔理沙は一息ついた。
そして結論を出す。
「お前の『月』は表と裏。 表裏一体を象徴するもので、その両方へ干渉する力。それが見えない力の正体」
魔理沙の背後から、大量の弾幕が展開される。
「『裏』に配置した魔力弾を、『表』の私の攻撃にぶつけて相殺。見えない『裏』からの攻撃で、はたから見れば勝手に消えたように見える訳だ」
得意気に笑い、魔理沙は構える。
「だが、裏さえ見えれば、お前に攻撃をぶつけるなんて容易なん」
そこまで言った直後だった。
ゆっくりと、糸が切れたかのように、パチュリーの体が地面に沈んだ。
「なっ・・・!?」
驚き、魔理沙は急いで敵であるパチュリーの元へ接近した。攻撃を食らう可能性もあるのに、だ。
だがパチュリーは立ち上がらない。
すぐ近くにしゃがみ込み、魔理沙は耳を澄ます。
すると、聞こえてくるパチュリーの呼吸音が荒い事に気が付いた。『コヒュー、コヒュー』と、息が上手く出来ていない音を聞き、魔理沙は理解した。
『まさか・・・』と呟き、言った。
「お前・・・喘息を患っていたのか・・・!?」
サァー、と血の気が引いていく。
ヤバイ。魔理沙はこの場の環境を見ながらそう思った。
先程の激突のせいで、一時的にだが酸素は奪われ、埃が大量に舞ったのだ。喘息を持った者には、この環境は最悪すぎる。
急いで魔理沙は箒にパチュリーを乗せ、地面を蹴る。
向かう先は紅魔館の本館。
「ちっ、待ってろよ!」
敵を救うため、魔理沙は敵の根城へ再度飛び込んだ。
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