紅霧異変
Part11 パチュリー・ノーレッジ
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しなかったパチュリーの眉がピクリと動く。
「火、水、木、この3属性だけなら分からなかったんだ。この3属性は色々な魔法に使われているからな。特定は出来なかった」
ニヤリと笑みを浮かべ、魔理沙は続ける。
「だが、『金』っていう属性の『冷徹と堅固』っていうのは日本独自の物。だから日本だけの、それらに使える物を探し当てたんだ」
結果、と魔理沙は付けたし、
「陰陽道か、よく使われる曜日くらいしかなかった。だが、陰陽道は主に式神や符、人型などを使用する。だが、お前にはそれがなかった」
フワフワと空中に浮かびながら、魔理沙は結論を言う。
「残されたのは『曜日』のみ。と言っても、これは単なる憶測だから間違ってるかもしれないけど、どうなんだ?」
暫しの間、静寂が訪れた。
ふぅ、と短く息を吐くと、パチュリーから山のように弾幕が放たれる。
「無言って事は肯定って受け取るぜ!」
パチュリーの弾幕をかわしながら、負けじと魔理沙も弾幕を張る。
魔理沙の弾幕は何発も撃墜されるが、2発だけがパチュリーの元へ辿り着いた。
だが、能力が知られようとパチュリーにはアレがある。正体不明の、相殺する何かが。
また人差し指を動かす。
だが、魔理沙の攻撃に異変が起こった。
急激に軌道が変わったのだ。
こくん、と。
何かを避けるように。
その魔力弾はそのままパチュリーの背後の地面へ衝突した。
パチュリーに傷は無い。そして、魔理沙の攻撃は無駄に終わった。
だと言うのに、優勢に立っている筈のパチュリーの表情は固く、劣勢に立っている筈の魔理沙の表情には笑みが浮かんでいた。
「やっぱな。そういうカラクリか」
息を吐き、魔理沙は語る。
「さっきの『曜日』に当てはめれば、解析は難しくなかったぜ。恐らく『火・水・木・金・土・日・月』のうち、『月』だな。それ」
空に浮かぶ赤い月を見ながら、
「月って明るいよな。地球からでも見えるし、皆からもそう思われている」
だが、と付けたし、
「誰も月の裏側を気にしない。いや、誰も見えない位置を気にしたりなんかしない。表はよく見える。だが、裏は見えない」
魔理沙は赤い月から、パチュリーの周囲へ目を向けた。
「お前の弾幕や図書館、この空間が月の『表』としよう。表は皆からよく見える。だが、『裏』は見えない。あるのに、まるで存在が頭から消えてしまったかのように見えない。いや、見ようとしない」
浮き彫りになってくる、パチュリーの能力。
「目に見えるものだけを見て動こうとしていたから、『裏』が見えなかったんだ」
ゆっくりと、魔理沙の目から見えるパチュリーの周囲の背景が変わっていく。
そこに
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