紅霧異変
Part10 集結
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前か!さっきから攻撃を仕掛けているのは!」
魔理沙の怒号に、パジャマの女性は髪を触りながら気だるそうに、
「どうでもいいから、サッサとやられてくれる?こっちは暇じゃ無いのよ」
「じゃあ、サッサと終わらせてやるよ!!」
魔理沙は動き回りながら、その女性へ向けて突撃した。
対してパジャマの女性は慌てず、ただ人差し指をたてるだけだった。
爆音が鳴り響く図書館の前を、一人の少女が通った。
中から聞こえてきた騒音に目を細めた少女だったが、迷いもせず素通りした。
魔理沙にも引けを取らないともいえる速度で空中を飛ぶ巫女服の少女は、真っ直ぐに時計塔の前へ突っ込んでいく。
そして時計塔の前には、同じく一人の少女が飛んでいる。
悪魔のような黒い翼を羽ばたかせ、純白のドレスに身を包む少女・レミリアは、余裕の表情で待ち構えていた。
「ようこそ、『博麗の巫女』かしら?噂より随分と働き者ね。一日もしないうちに来てくれるなんて」
「こっちはあと3日は寝とこうとしたんだけどね。魔理沙の奴がうるさいから」
妙に気だるそうに話す『博麗の巫女』の言葉に、レミリアはクスリと笑って答える。
「さて、じゃあ始めましょうか?」
レミリアの背後に、紫の弾幕が渦巻く。
「弾よけね。私の得意分野だわ」
『博麗の巫女』・博麗 霊夢の背後にお札型の弾幕が飛び回る。
二つの勢力がぶつかった。
弾幕ごっこの天才・博麗 霊夢と、紅魔館の主・レミリアが動く。
「・・・あはっ」
地下に居る少女は、満足気に笑みを浮かべた。彼女の足回りには、赤黒い液体が飛び散っている。
その近くには5人の罪袋が転がっていた。
「暇だな暇だな暇だなー。変な袋被った人達は簡単に壊れちゃったしなー」
背伸びしながら少女は呟く。
「そうだ。お姉様には『異変に関わるな』って言われただけだし、ゴミ掃除だけなら許してくれるよねー」
右手をゴキリと鳴らし、少女は動く。
館にいる罪袋の数は約100人。
全てを狩り尽くすべく。
暇潰しの為に。
静かな狂気を秘めて。
全てのキャラクターは動いた。
変態と、それを止めるべく人間が。
魔法使いと、それを迎撃すべく魔法使いが。
異変解決の巫女と、主たる吸血鬼が。
何処から湧いたのか分からない変態と、幻想郷の上位に君臨する妹が。
「酸素奪ったせいで・・・俺すらも・・・ガハッ」
「「「馬鹿だろオマエ・・・ゴフッ」」」
・・・主人公と変態のターンは終わった。これからは、純粋な幻想郷の民が牙を剥く。
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