第四十一話 彼女達の戦い4
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ーゲン「……………」
ギガボルト・ドクラーゲンは朱の舞姫と謳われる戦士を、初めて意志のある瞳で見つめていた。
漂うばかりの水海月が、船の碇に貫かれたような衝撃を受けた。
彼が意志を言語化出来たのなら、こう言っていただろう。
“こんな強い女性がいるなんて…”。
ドクラーゲン「でも、俺は止められないよ………」
身体が緋色の光を発し、強烈な電撃を放出した。
白く輝く火花は天の雷の光そのもの。
メガロポリスのエネルギーがそのままルイン目掛けて落ちていく。
ルイン「やばい…」
息を呑んだ瞬間、雷が枝分かれして地面に注がれる。
ルインは咄嗟にダッシュすることで、電撃をかわし、次の一撃もギリギリでかわす。
ルイン「放電が激しすぎる…なら…!!」
チャージセイバーを繰り出すが、セイバーと衝撃波は放電のバリアに阻まれてしまい、ドクラーゲンの身体に傷をつけることは出来なかった。
攻撃する間に、放電が頂点を迎え、必殺技が炸裂する。
電撃がルインの真上から降る。
咄嗟に構えたセイバーに白い火花、真昼の陽光の如く鮮やかに散った。
電撃で空が真っ白になる。
強烈な光にルインの姿が消え、上空からは跡形もなく消し飛んだように見えた。
ドクラーゲンは光の爆発を遠い目で見る。
ドクラーゲン「これで終わり…」
ルイン「終わりじゃないよ」
言い終わらぬうちに彼を紫の閃光が貫いた。
ドクラーゲン「……え…?」
胴を紫色の輝きを放つセイバーが貫いていた。
刃の先が彼の背中に生え、腹にはセイバーが深々と刺さっていた。
アルティメットセイバー
“究極”の名を関する剣がドクラーゲンを串刺しにしたのだ。
地上には血を思わせる紅いアーマーを身に纏うルインが身体から煙を上げながらも立っていた。
ドクラーゲン「……嘘…」
胴から火花を上げ、目の醒める光を上げて大破する。
後に残ったのは、爆発の黒煙のみであった。
対象を失ったセイバーが一直線に落ち、ルインが立っている地面に突き刺さる。
ルインはドクラーゲンが消えた空を真っ直ぐに見つめた。
吹き荒れる風が彼女の長い金髪を靡かせる。
ルイン「新しい世界は君達が創るものじゃない。この世界を必死に生きるみんなが創るの…それに…時代っていうのは、前のを壊して創るんじゃなくて…受け継いでいくものなんだよ…」
翡翠の輝きを宿す瞳を、人類の移住の地である夜空に浮かぶ月に注いでいた。
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