第七話 安東中佐!相撲ごっつあんです!!その十六
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
あらためてだ、安東に向き直って彼を指差して言った。
「じゃあいいな」
「これからあんた倒すからな」
「リア=ディソンさんと素麺、ちゃんこは俺達のものだ」
「たらふく食ってやるぜ」
「諸君達には煩悩しかないのか」
安東はその二人に冷静そのものの言葉で返した。
「それで何とも思わないのか」
「へっ、俺達は正義だぜ」
「正義だからこれ位は当然だろ」
安東にもだ、二人は悪びれずに返すのだった。
「素麺とかちゃんこ位いいだろ」
「それと写真集とかDVDもな」
「些細なものだろ」
「些細だが煩悩だ」
そこを言う安東だった。
「公の為に何かをしようと思わないのか」
「だから再併合を阻止してるんだよ」
「併合していいことないだろ」
二人も悪田部も思っていることだ。
「俺達は日本の為に戦ってるんだよ」
「身体を張ってな」
「だから素麺とか位いいだろ」
「別に金や女まで求めてないぜ」
二人もそうしたものは求めない、この辺り二人にも良心があるのだ。
「だからいいだろ」
「何でここまで言われるんだよ」
「それがわかっていないことがそもそも問題だ」
安東もだった、悪態に正論で返すのだった。
「どうやら私がここでだ」
「中佐!やって下さい!」
「やっちゃって下さい!」
「ここでこいつ等の性根叩きなおして下さい!」
「そして再併合を!」
最早臣民のほぼ全てが日帝衆の味方だった、まさにジャスティスカイザーは孤独なヒーローである。そして。
安東は陸軍衆の軍服のままだ、塩を撒いてからそのうえで土俵に上がった。ただ軍靴は脱いで裸足だ。
そのうえでだ、二人にも言うのだった。
「では諸君等もだ」
「ああ、今からな」
「勝負だな」
「相撲は神聖なものだ」
力士は実際に神主の親戚の様なものと言われることもある。
「ではその神聖な土俵でだ」
「勝ってやるぜ!」
「美味いものと写真集、DVDの為にな!」
やはりわかっていない二人だった。
「さっさと塩なんて撒いてな」
「あんたを叩きのめしてやるぜ」
「相変わらず最低な連中だな」
「ああ、本当にな」
観客達はこの時も呆れるのだった。
「塩を撒くことは相撲で忘れたらいけないことだろ」
「神聖な行いだっていうのに」
神聖な土俵を清める、そして魔を祓う行為でもある。それでジャスティスカイザーの二人に対してこう言うのだ。
「それがわかっていないな」
「本当に最低だな」
「どうしようもない奴等だよ」
「人間の屑だな」
「うるせえうるせえ、勝てば天使様だよ」
「正義は勝った奴だろうがよ」
二人は土俵に上がりながら観衆に悪態をつく。
「ったくよ、いつもそう言うけれどな」
「俺達は勝ってるだろ、だったらな」
「俺達が正義な
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ