27話 ≪1つは全て、全ては1つ≫
[1/3]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
≪トギレタ エネルギー……テラヘノ ダイジナ………≫
「なっ……、何よこの気持ち悪い声?! ビビ、何とかしなさいよ!」
「えぇ……!? そんなこと言われても…っ」
「皆気を付けるのじゃ、何かが出て来よるぞ!」
感性の鋭いフライヤが警戒を促し、4つの鏡を失った壁画前の空間の狭間から突如、耳をつんざくような金切り音と共に出現したのは、さながら巨大な褐色の昆虫のようで鋭く尖った鎌のような前足をしており、羽らしき物は無いが浮遊状態を保っている。
≪フウイン トコウトスルモノ────オマエタチ、カ……?≫
「何だ、こいつ……!?」
≪ワレハ ダハーカ……ヨッツノカガミヲ シュゴスルモノ────カガミ モトニモドセ……!≫
「ハイそうですかって、戻す訳にはいかないな!」
「そーよそーよ! エーコ達の邪魔、させないんだからっ!」
ジタンに続いて、威勢よく言い放つエーコ。
≪ナラバ……チカラズクデ ウバイトルマデ……!≫
つんざくような金切り音を上げ、ダハーカは大きく裂けた口から幾つもの黒く丸い物体を吐き出し5人を襲う。
「出番よカーくん、<ルビーの光>!!」
エーコが横笛を奏でると、可愛らしいメロディーと共に異空間から小動物のような召喚獣[カーバンクル]が現れ、額から紅く輝く光で5人を照らし出し、<リフレク>の効果で黒い物体を跳ね返す。
「さんきゅー、エーコ! オレ達も反撃と行くか!」
ジタンが駆け出し、盗賊刀を振り回して斬り付けるがダハーカは硬い鱗に覆われている為か、続いて攻撃を仕掛けたフライヤの槍でもってしても貫けない。
≪ソンナモノデ ワレノカラダキズツケルコト カナワン……!≫
鋭く尖った尻尾の先端で二人まとめて凪ぎ払うダハーカ。
「なんてこと……!? ジタンとフライヤの攻撃が効かないなんてっ。ビビ、こーなったら黒魔法よ! エーコは二人を回復するからっ!」
「う、うん、分かった……!」
ビビは威力の高い氷系黒魔法<ブリザガ>を放つが、余りダメージを受けた様子はない。
「あ、あれ? 半減されちゃったのかな。じゃあ、次は炎で……!」
≪フウイン トカセナイ……マトメテ ホウムル……!≫
ビビが続けて黒魔法を放とうとした所へ、ダハーカは大きな鎌のように鋭く尖った前足を振りかざし突進して来る。
「わぁ!? 間に合わ……っっ」
そこへ即座に割って入った赤魔道士マゥスンは片手から強力な炎を放ち、その猛火に巻かれたダハーカは耳をつんざく金切り音を高めて仰け反った。
「うお、なんて音だ……! 鼓膜が破れそうだぜ!」
「しかしこれは……効いておるのではないか?」
思わず耳を塞ぐジタ
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ