第37話 宝探し(前編)
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本、開かないわよ。」
「どれどれ、俺に貸してみな。あぁ、魔法の封印のしてある。虚無の担い手にしか、開かないようになっている。」
司は本を開きページをめくる。
「ダーリン、本を開けるって事は虚無の魔法が使えるの?」
「俺達の国では誰でも皆、虚無魔法を使えるよ。」
「そっ、そうなんだ。」
「司さん、凄い。」
キュルケは呆気にとらわれている。一方でシエスタは魔法に詳しくない為、感心していた。
「あっ、カードが挟まっている。うん、これだな。トリスタニアの休日S35と書いてある。」
「あっ、知ってる。今話題の映画だよ。アンリエッタ姫の婚約を祝して、王女と平民に変装した皇太子との切ない1日の恋を描いているの。トリスタニアの名だたる観光スポットを登場させていることでも有名なの。今は、トリスタニア映画館で先行ロードショーをやっている筈よ。」
夢が解説する。
「それじゃ、トリスタニア移動しよう。」
司の号令で全員が移動する。
Sideout
学園都市からはローカル線の電車が走っている。トリスタニア中央駅までは、電車で一駅である。大人数の為、電車で移動したのだ。
トリスタニア中央駅は新王宮の城下町である、新市街
にある。旧市街も再開発されている途中であり、住民の多くは新市街に移転している。
ブリミル暦6242年 アンスールの月 エオローの週 虚無の曜日
皇紀2800年 7月17日 トリステイン王国 トリスタニア 新市街
Side ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール
「トリステインは小国だけど、中央駅は立派ね。」
「それは、そうさ。トリステインはガリアとゲルマニアの中間にある。両国を行き来するのに、立地的に都合が良いのさ。それだけに、トリステイン魔法学院は一番、他国からの留学生を受け入れている。」
キュルケの感想に、司が答える。
「バス乗り場はそこよ、映画館までは最寄りのバス停まで二つだわ。」
夢が携帯端末で案内する。一行はバスに乗り映画館に着いた。
「ここね。後はS35は座席の番号だと思うけど、どこかな?有った、二階観覧席のS3ルームだ。S3ルームをお願いします。」
「はい、どうぞ。次の上映時間13時からになります。」
「次の上映時間まで1時間以上あるな。そこら辺のカフェで軽い食事をして行こう。」
お洒落なカフェを見つけて、軽い食事を済ませてから映画館に戻って来た。一行は早速、S3ルームに向かった。司がチケットを渡すと案内係が席まで誘導した。S3ルームは貴賓室になっており、席が三段になって10人以上が優に座れた。ここは貴族の家族などが利用し易いように従者の席まで用意されていた
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