臨海学校初日
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「…ごめん…さっきまで忘れてた…」
「いいんだが、被害が出てからじゃ遅いからな」
今度は沖のブイを狙い撃つ。ギリギリ届いた。
「もう水がないな。補給してくるかな」
「…それより他のことしたい…」
簪にはつまらなかったか。
「わかった。ちょっとこれ片付けてからな」
俺は空のタンクと水鉄砲を担いで更衣室に行き、置いてから簪のところに戻る。
「お待たせ」
「…早く行こ…」
以降は大体海で泳いでいた。なんか凰が溺れていたりしたが、どうでもいいことだ。
あと、海の家のラーメンが割りとうまかった。
そして夕飯の時間。俺は端っこの席に座り、隣に簪が座った。
「このカワハギ…なかなかいいものを仕入れているな」
私生活でいいものを食べてきた結果、かなり肥えた俺の舌がいうんだ。間違いない。
「小鍋も食材の一つ一つが選び抜かれたものだな。ここのこだわりが見えてくる」
なんだこの孤独のグルメは…。俺はいつの間に井之頭五郎になったんだ?
「…和也くん…何か五郎みたい…」
簪からも言われた。
「俺自身そう思ってたところだ」
織斑の付近が騒がしいが気にしない。
「…気持ちはわかるよ…」
「そうか」
鍋のだしは何を使っているんだ?昆布はわかるが…
なんだかんだで食べ終わった俺に残されたのは、満腹感と鍋のだしに何を使ってたのかという疑問だった。
部屋の風呂で適当にシャワーを浴び、勉強を始める。こういう日に勉強をしたかが、受験の結果を左右するのだ。それに俺はただ合格するだけではだめだ。あくまでも首席合格。次席以下など論外だ。
コンコン
ノック音が聞こえるが関係ない。俺は勉強中だ。
「…和也くん…いる…?」
簪のようだ。出ることにする。
「どうした?」
「…一緒にトランプしようと思ったんだけど…」
「悪いが今勉強中だ。また今度にしてくれ」
「…うん…ごめんね…邪魔しちゃって…」
「謝るほどのことではないさ」
簪は戻っていく。正直なところでは遊びたかったが、今は忍耐の時期だ。
その日は0時まで部屋してから寝た。
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