第2部 風のアルビオン
第3章 幼馴染みの依頼
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るでしょう」
「どんな内容の手紙なんですか?」
「・・・それは言えません。でも、それを読んだら、ゲルマニアの皇室は・・・、この私を許さないでしょう。ああ、婚姻はつぶれ、トリステインとの同盟は反故。となると、トリステインは一国にてあの強力なアルビオンに立ち向かわなくてはならないでしょう」
ルイズは息焦って、アンリエッタの手を握った。
「いったい、その手紙はどこにあるのですか?トリステインに危機をもたらす、その手紙とやらは!」
アンリエッタは、首を振った。
「それが、手元にはないのです。実は、アルビオンにあるのです」
「では、すでに敵の手中に?」
「いえ・・・、その手紙を持っているのは、アルビオンの反乱勢ではありません。反乱勢と骨肉の争いを繰り広げている、王家のウェールズ皇太子が・・・」
「プリンス・オブ・ウェールズ?あの、凛々しき王子様が?」
「はい・・・」
ルイズは息をのんだ。
「では、姫様、私に頼みたいこととは・・・」
「ええ、その手紙を回収してきてほしいのです」
ルイズは膝をついて恭しく頭を下げた。
「わかりました。この命に代えても!」
アンリエッタはルイズを見つめながら言った。
「この私の力になってくれるのですね!ルイズ・フランソワーズ!懐かしいお友達!」
「もちろんですわ!姫様!」
ルイズがアンリエッタの手を握って、熱した口調でそういうと言うと、アンリエッタはぼろぼろと泣き始めた。
「姫様!このルイズ、いつまでも姫様のお友達であり、まったき理解者でございます!永久に誓った忠誠を、忘れることなどありましゅうか!」
「ああ、忠誠。これが誠の友情と忠誠です。感激しました。わたくし、あなたの友情と忠誠を一生忘れません!ルイズ・フランソワーズ!」
ウルキオラは呆れた様子で2人を見ていた。
自分の言葉によっているような、2人のやりとりであった。
これが、貴族と王族というものか、と納得した。
「ルイズ…友情とやらを確認中みたいだが…」
「なによ」
ルイズはアンリエッタとの友情の確認を邪魔されたので不機嫌な顔をしていた。
ウルキオラは一瞬で扉の前に移動した。
共眼界で見たとはいえ、実際に見たアンリエッタは驚いた顔をしている。
ウルキオラが扉を勢いよく開ける。
「こいつはどうする?」
すると、見覚えのある人物が部屋に転がり込んできた。
ギーシュである。
「ギーシュ!あんた!立ち聞きしてたの?今の話を!」
ウルキオラはルイズに問いかけた。
「恐らく、サイレントの魔法を掛けていなかった所を考えると、聞いていただろうな。ここで、始末するか?」
「そうね……
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