第2部 風のアルビオン
第3章 幼馴染みの依頼
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たことがない映像だった。
しかし、一番驚いたのはオレンジ色の髪の男が持っている剣が『破壊の剣』に酷似していたことだ。
しばらくして、ウルキオラの勝利で映像が終わる。
最初に口を開いたのは、アンリエッタだった。
「一瞬で移動したり、剣を素手で防いだり、ものすごい破壊力の魔法を放ったり、素手で人体を貫通させたり……確かに人間ではないようです」
「ウルキオラがいれば姫様のお悩みも解決するかと…」
ルイズはオレンジ色の髪の男が持っていた剣が気になったが、後で詳しくウルキオラに聞くことにした。
「俺がこの女…アンリエッタの依頼を受けるのはもう決まっているのか?」
ルイズはウルキオラを睨んだ。
話を合わせなさい!と言っているようであった。
「そうですね…わかりました。今から話すことは誰にも話してはいけません」
アンリエッタは言いにくそうに言った。
「私は、ゲルマニアの皇帝に嫁ぐことになったのですが…」
「ゲルマニアですって!」
ゲルマニアが嫌いなルイズは、驚いた声をあげた。
「あんな野蛮な成り上がりどもの国に!」
ルイズはそういうと、ウルキオラが口を開いた。
「そうはいっても、今のトリステインではゲルマニアどころか、アルビオンに攻め込まれても、1ヶ月ともたないぞ」
「ええ、その通りです。仕方がないのです。同盟を結ぶためですから」
「そうだったんですか…」
ルイズは沈んだ声で言った。
「いいのよ。ルイズ、好きな相手と結婚するなんて、物心ついた時から諦めていますわ」
「姫様…」
「礼儀知らずのアルビオンの貴族たちは、トリステインとゲルマニアの同盟を望んではいません。2本の矢も、束ねずに1本ずつなら楽に折れますからね」
アンリエッタは、呟いた。
「したがって、私の婚姻を妨げるための材料を、血眼になって探しています。もしそのようなものが見つかったら・・・」
「もしかして、姫様の婚姻を妨げるような材料が?」
ルイズが顔を蒼白にして尋ねると、アンリエッタは悲しそうに呟いた。
「おお、始祖ブリミルよ・・・、この不幸な姫を御救いください」
アンリエッタは、顔を両手で覆うと、床に崩れ落ちた。
その芝居がかった仕草に、ウルキオラは呆れた。
いちいち大げさなのだ。
「言って!姫さま!いったい、姫様のご結婚を妨げる材料ってなんなんですか?」
ルイズはつられたのか、興奮した様子でまくしたてる。
アンリエッタは苦しそうに呟いた。
「・・・私が以前したためた一通の手紙なのです」
「手紙?」
「そうです。それがアルビオンの貴族に渡ったら・・・、彼らはすぐにゲルマニアの皇室にそれを届け
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