暁 〜小説投稿サイト〜
一日一日を生きる。
俺のとある一日。
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ートを鞄にしまい、弁当を取り出す。大小二つの弁当を机に並べる。俺のは普通の二段弁当で黒歌の手作りである。黒歌は俺の好き嫌いを完全に把握している(といっても嫌いなものはないのだが)。その中から栄養バランスよく作ってくれることに何かしらの想いを感じる。
 猫バージョンの黒歌の弁当は俺のと量は少ないがほとんど変わらない。ただ、両手で持って食べられるようにしている。周りには器用な猫だと思われている筈だ。そしていつも静かな教室で食べる。食べ終わるのは当たり前だが、俺の方が早い。
 弁当箱を片付けると黒歌が俺の方を見て、手で弁当箱を押し出して口を開けて待っている。黒歌の言いたいことが分かった俺は、指でつまんで彼女に与える。それをパクリと食べると指までぺろぺろ舐めてくる。ネコ特有のざらざらした舌で舐められて少しくすぐったい。なんだか楽しくなって続けているとあっという間になくなってしまった。どこか残念に思いながら弁当箱をしまって黒歌にブラッシングをしてやる。黒歌はやさしめが好きだから丁寧に当てるようにしてすいていく。
 そんな昼休みが終わって、午後の授業になっても午前中とやることは変わらない。だるーく過ごして黒歌を撫でたりして終わる。ネコには退屈な時間だけど俺の膝の上から逃げ出したことは一度もない。黒歌がそれでいいと思っているのかもしれない。


 放課後。


 退屈な時間が終わってようやく解放された。特に部活に所属しているわけでもないから真っ直ぐに帰る。グレモリーが話しかけてきたような気がしたけど無視。カバンを持って赤髪の隣をそよ風のようにさらっと抜けて行く。廊下を歩いて、階段を下りて、昇降口で靴を履き替えて、校門から一番に出て行く。出てすぐ右に曲がる。そのまままっすぐ歩いてしばらくすると、頭の上で丸くなっていた黒歌が飛び降りるのと同時に人の姿になる。にゃああと声を上げながら、腕を上に付きあげて体を伸ばす。その際に悩ましい声を共に豊満な胸が揺れる。ここで変に反応すると黒歌が面白がってからかってくるため、反応しないようにいつも気を付ける。視線も向けない。
 だまって歩いていると左腕に軽い衝撃を感じた。彼女が抱き着いていた。歩きづらくはあるが、春先のまだ肌寒い風が気にならなくなる。心地よい温かさが学校にいてたまったストレスを溶かしていった。少しだけ頬が緩んだ。
 それを見てかどうかは分からないが、黒歌も嬉しそうに歩く。彼女の歩くスピードが上がって若干引きずられそうになりながらも彼女に並ぶように歩く。二つ繋がった影は長く道路に伸びていた。



 家に着く。鍵を開けて中に入ると、その玄関先に設置してある転移ポートが作動して、淡い光の中から人の姿が現れる。


「ただいまっ! 久しぶりに帰れたから帰ってきたよ!」


 そう言って抱き着
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