俺のとある一日。
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は、立ち止まってグレモリーを同じように見ると、彼女は気まずそうに目を逸らした。周りにまた関係を疑われるかもしれないため、すぐにその場から立ち去る。朝から面倒事に巻き込まれてしまったことに萎えながら、昇降口に向かう。頭の上で黒歌が慰めるようにポンポンと頭を叩いた。
少し時間が進んで授業中。俺の席は窓側の一番後ろの席だ。まだ春先であるため、日差しも温かく段々と瞼が閉じてしまいそうになる。黒歌は俺の膝の上で丸くなって暢気に寝ている。羨ましい限りだ。俺は猫を学校に連れてくる代わりに色々と規制と約束に縛られている。例えば、定期考査で学年十位以内に入るとかが守らなければならないことだ。この学園はレベルは高いものの、もともともっと上の学校を目指していたこともあっていつも予習と復習さえやっていれば、問題はなかった。今となってはこの学園に入学して良かったと思っている。自分でもこうして過去を振り返ってみて、周囲の人を敵に回すようなことばかりしていて苦笑を漏らしてしまう。でもそれでも俺は構わない。俺には黒歌さえいれば……黒歌と後もう一人いれば問題ない。
そんな普段考えないことを考えていると照れくさくなってしまった。俺はそれを誤魔化すためにのんびり寝ている黒歌の顎の下をかく。くすぐったそうに首を少し動かすが気持ちよくなったのか、そのままなされるがままになる。余程気持ちいいのか甘えた声を上げる。静かな教室で響かないか心配だったが、クラスメイトには聞こえていなかったらしく、黒板に書いていることを追いかけるように板書していた。
少し調子に乗って黒歌の全身を撫でていく。そんなことをしていても学年十位以内なものだから周りからの視線や陰口は酷かったりする。けれども、俺には関係ない。出来ない奴が悪いのだから。それに、俺も勉強しないで考査に臨むような馬鹿な真似はしない。
それでも中には例外も存在するのがこの世の常である。一人だけ、俺の席の隣の奴が他の奴らのように敵対心を丸出しに俺たちを見ない。個人的にこの学園内で一番面倒なやつのリアス・グレモリーである。
グレモリーからは、疑いと憧れを感じ取れる。疑われているのは黒歌についてだろう。今は猫の姿で猫又であることを隠して、気配も仙術で隠している。だが、それでも微妙に漏れ出ているのだ。そういう気配とかに敏感な者でも感じ取ることは厳しいが、彼女はどうやら違和感を覚えているようだった。
ちなみにグレモリーが悪魔なのは知っている。というよりも悪魔の象徴ともいえる翼だけを隠しているからか、気配は悪魔そのものである。それにあの変態とあと三人。
しかし、憧れは一体なんだ。分からないが放置していても問題ないと判断したところで授業の終わりを告げる鐘が鳴る。
ようやく昼休みとなり、机の上に広げていた教科書とノ
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