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アスタロト
第五章
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だ」
 やはり彼はこんなことを考えていたのだった。アスタロトは彼の話を聞いてやはり、と思った。それもしっかりと顔に出ていた。
「だからいらん。いいな」
「わかったよ」
「わかっていてもいなくてもいらんからな」
 とにかくこのことは主張してやまなかった。そのうえでさらに話を進めてきた。
「それでだ」
「それで?」
「話を元に戻す」
 強引に話を戻しにかかってきた。
「代償だが」
「何にするの?それで」
「その時計を寄越せ」
 先程彼女に説明し今彼が左手に着けているその時計を右手に持っている蛇で指し示した。その蛇はじっと時計を見て目を離さない。

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