βテスターの教え
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ネペントが右のツルをキリトに突き込んできた。
すると、キリトは軌道を見切り、左に跳んで回避した。
そのままネペントの側面に回り込みつつ、
剣をウツボ部分と太い茎の接合部─弱点に叩き込む。
手応えは充分のようで、ネペントのHPががくっと
二割以上も減った。
すると、キリトは俺を手招きして来いと言った。
俺がキリトのもとに行くと、
ネペントが再度怒りの声を上げ、植物はウツボを
ぷくっと膨らませた。キリトは
「腐蝕液発射の予備動作だ。射程は5メートルぐらいで長い、真後ろには下がるな、浴びたらHPと武器防具の耐久度が大きく減るし、粘着力によってしばらく動きが阻害される。だが、効果範囲は正面三十度と狭いから、ぎりぎりまでタイミングを見極めて、ウツボ部分の膨張が止まった瞬間、思い切り右にジャンプするんだ、いいな」
と言い、ネペントのウツボ部分の膨張が止まった瞬間、キリトの
「せーのっ…!」のタイミングと同時に右にジャンプした。
ぶしゅっ!と薄緑色の液体が飛沫状に発射され、
地面に落ちて白い蒸気を上げるが、一滴たりとも
浴びずに回避した俺達は無傷だ。
キリトは右足が地面に触れるや剣を振りかぶり
再度同じ弱点を痛撃。
悲鳴とともに仰け反ったネペントの捕食器を、
黄色いライトエフェクトがくるくると取り巻く。気絶状態だ。
キリトは叫んだ。
「いまだ、シュージェル!ソードスキルでトドメだ!」
俺は待ってましたと言わんばかりに
剣を大きく引き、一瞬のタメ動作によって
ソードスキルが起動し、刀身を薄水色の光が包む。
「……くらえっ!」
俺は激しく地面を蹴った。単発水平斬撃技《ホリゾンタル》。
先の二発でHPの五割以上近くを喪失していた植物Mobは、
スタンから回復する寸前に、剥き出しの茎を
俺のソードスキル《ホリゾンタル》に直撃された。
俺はもちろん、蹴り足と右腕の動作で
威力を最大限までブーストしている。
エフェクトの輝く刀身が、硬い茎に食い込み、
一瞬の手応えを残して─。
すかぁぁん!と乾いた音を響かせ、
ウツボ部分が茎から斬り離され、丸ごと宙に飛んだ。
残りのゲージ全体が真っ赤に染まり、右側から減少していく。
ゼロになると同時に、リトルネペントの巨体は青く凍り付く。
直後、爆散。
剣を前方に振り切った技後動作のまま、俺は動きを止めた。
視界には、フレンジー?ボアの二倍近い経験値が浮き上がる。
戦闘時間は約四十秒。この調子なら効率は良さそうだ。
俺達は続く十五分で十匹以上のリトルネペントを倒した。
すると、十一匹めのリトルネペントを倒したキリトに
軽やかなファンファーレが響いた。
キリトのレベルが上がったようだ。
俺は「おめでとうさん、俺も早くレベル上がりたいよ」
と声を掛け、拍手を
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