第四章
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第四章
「また会おう」
「その時まではどうするの?」
「呼ぶな」
こうである。
「絶対に呼ぶな。いいな」
「呼んだらどうするの?」
「御前は死ぬ」
脅しではなかった。本気そのものの言葉の調子だった。
「私も忙しい」
「そうなんだ」
「魂に何の価値もない日本人の相手をする程時間は暇じゃない」
「何箇所も同時に召還されても平気だったんじゃないの?」
榮一はさりげなく密かな秘密に突っ込みを入れた。
「分身とか使えるから。それで」
「悪魔のことをよく知ってるな」
「まあ一応勉強はしたから」
そいの辺りは抜かりがないのだった。
「知ってるけれど」
「では言葉を代えよう」
アスタロトはさらに不機嫌になって彼に返した。
「面倒臭い」
「凄い理由だね」
「というよりか日本人の相手をするのは嫌だ」
もっと物凄い理由であった。
「わかったな。以上だ」
「だから呼ぶなってことなんだ」
「話が済めば私の方から行く」
とにかく呼ばれたくないアスタロトだった。
「それだけだ。わかったな」
「じゃあ僕が彼女の心をゲットしたら」
「その間に魂の代わりに貰っておきたいものは考える」
彼はこのことも榮一に告げた。
「ただ言っておくがその彼女やら御前の家族の魂は要求しないからそれは安心しろ」
「どうしてなの?それは」
「その彼女も御前の家族も日本人だな」
うんざりとしたような口調で彼に問うのだった。
「そうだな。違うか?」
「全く以てその通りだけれど」
「じゃあいらん」
こういう理由だった。
「だからだ。とにかく日本人の魂はいらん」
「そうなの」
「だからだ。それはないから安心しろ」
また言うのだった。
「とにかく代償は考えておく。それではな」
こう最後に告げるとそのまま何処かに消えて魔法陣から姿を消してしまった。まるで嫌なものの前から消え去るような。そうした消え方だった。
「何か日本人って悪魔からかなり嫌われてるんだ」
榮一にもそれはわかった。
「まあとにかく」
しかし彼はそれはどうでもよかった。それよりだった。
早速本を開き読みはじめた。そうして発明の才能を身に着けていく。全三巻読み終えた彼はまさに超天才になっていた。これにより得たものは。
今日も学校の帰り道にデートだった。まるでアイドルのように可愛い女の子と並んで歩いている。その女の子にあるものを見せていた。
「それでね。これがね」
「あっ、奇麗な腕時計ね」
「僕が作ったんだ」
こう話すのだ。見れば見たこともないような立派でかつ奇麗な時計である。
「この時計ね」
「ええ」
「奇麗なだけじゃないよ」
こう彼女に話す。
「実はね」
「何かあるの?」
「ここをこうすれば」
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