暁 〜小説投稿サイト〜
バカとテストと白銀(ぎん)の姫君
第二章 彼と彼女の事情
第十六話 机上演習〜Road to Elysion U  / 楽園への道2〜
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令書を頼むぞい。」
「そうですね……」
「クソ……巻き返す方法は何か……アイツを、何とか…」
ちなみに壁破壊作戦はまだ決行されていない。
とはいえ、最初に吉井という駒を作っていないためそれは無しと言うことになるだろうが。


もはや籠城戦は終わった、多大なる犠牲の末にBクラスの兵力を壊滅状態に追い込み、さらに妃宮という悪魔みたいな駒を何とか潰すことに成功した。根本の奴が僕が捕虜になったと聞いて安心しきっていたが、その気持ちがよく分かってしまった。
残りの兵力で今まで苛烈に責めてきていたCクラスを逆に籠城を余儀なくさせることに成功したのだから、Fクラスの坂本と書かれた駒ももうすぐで落とせ……ない。
「姫路さんの駒を落とす方法が……」
「姫路のおかげでなんとか膠着状態に持ち込めたか……」
「何とか姫路さんを疲れさせてその隙を……」
「姫路に負荷をかけすぎるのは拙いな……」
「私って、そんなに活躍しないといけないんですか…」
本人でさえ驚きの獅子奮迅ぶりを図の上の姫路さんは見せてくれている。
僕の駒がやられたときからバッシング続きだった代表へのヤジも、いつの間にか姫路さんへの熱烈な応援に変わっていた。
何かの少女アニメのワンシーンかなにかでしょうか、全く…
Fクラスの最後の守護神である姫路さんの圧倒的な力を前に攻め込むことを躊躇うAクラス。
そしてついに堅牢な守りを見せたCクラスが玉砕し、残る攻撃目標はFクラスのみ。
「妃宮さん、もうやめてくれ!」
「「俺たちは補習室に行きたくないんです!!」」
駒であっても彼らは補習室に行きたくないようだ。
「代表どうしますか?」
Fクラスの前にもてる戦力の全てを展開し終えた僕は代表に尋ねる。
「……俺たちの負けだ。」
「「「嘘だあぁ!!!」」」
こうして机上演習は三階という同一平面上でのみの戦闘で終始し、Aクラスの粘り勝ちで終わったのであった。









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