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バカとテストと白銀(ぎん)の姫君
第二章 彼と彼女の事情
第十六話 机上演習〜Road to Elysion U  / 楽園への道2〜
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を崇め始める吉井の様子に、途端に不機嫌になる姫路さん。
「そうはいってもな、旧校舎の奴らに一人はそんな殊勝な趣味を持っているだろうことはってのはお前もさっき聞いただろ。あんなことを叫ぶようなバカに、俺はこいつ以外心当たりがない。」
えぇ、僕も全く心当たりがありませんね。
「……吉井君、どうですか?やってみたくないですか?」
目の色が明らかにおかしくなっている姫路さんが吉井にしゃべりかける。ご愁傷様だとしか言いようがないですね。
こちらに助けを求めるような目線に、少しだけの同情を寄せながらも、僕は追い落としにかかる。
(わたくし)も……吉井君がそのように叫ばれていたかのように存じます、ですから……って吉井君、土下座しないでください。」
「嫌です!お願いします。自分調子乗りました!!」
彼の絶叫が朝早くの旧校舎中に響いたのは言うまでもない。
そして、その声を聞きつけた西村先生に教育的指導を受けていたのはさらに運の悪いことだとしか言いようがないことだろう。


しかし、『姫路さんに根本が手紙の件で脅迫されていた』とはね。
内容は推して知るべしとでも言うべきか。
そもそも、そんなものをよく見つけたものだ、僕らが本陣を屋上に設定したのがそんな事態を招いたのだろうけれども。
「まぁ、そんな事だろうとは思っていたがな……」
ぼやく代表殿にどうしてそれを伝えてくれなかったのかと目をやる。
「妃宮、お前も小山の件を知ってたんだろが。そこんとこは五分五分といこうじゃないか。」
白っとそんなことを言ってくる坂本に、僕は何かを答える気は無い。
吉井と姫路さんのほんわか初恋劇場を楽しみ終えたところなのだから。もっとも、さっきの言葉もある意味においては外野のヤジの一環であろうけれども。
全く、根本はどこまで卑劣な奴なのだろうか。
手元にある写真(集)が実質ジョーカーであるからその分で許してやろう……など露にも思わない。
僕や、友香さんも含めてだが二度と根本の策謀に関わり合いになりたくないというのが純然たる思いだ。
とは言え、せいぜい自分たちがそういった事態に巻き込まれないように警戒しておくという受け身の対策しかとれないのがもどかしく、僕は感じていた。


黒板で次の対Aクラス戦の机上演習を僕と代表はしていた。
僕がAクラスの少数精鋭を動かし、代表はBCFの三クラス連合軍の指揮を取っていた。
使っているのは大きめのマグネット式の将棋の駒で、金や角といった強力な駒の下には、実際の戦争において重要な人物の名前が一駒につき一人ずつかかれていたりする。
例えば玉には北原さんに根本、そして我らが代表殿、唯一存在する王には霧島とかかれている、つまりそれらが各クラスの現在の代表首の駒として見なされている。
また、僕は角(機関銃という遠距離
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