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流星のロックマン STARDUST BEGINS
憎悪との対峙
35 星の幻影
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うだった。

















「……」

ハートレスはコンステレーションの時間を見ながら、落ち着けずにいた。
既に時間は17時40分に迫ろうとしていた。
計画では30分にはスターダストはここ、スカイタウンの入り口に当たるこの広場に現れているはずだった。
既に10分近く過ぎている。
当然、あの状況ではイレギュラーは間違いなく発生する。
時間通りに運んだ方が不気味といえば不気味だ。

「…チッ」

一応、通話用の回線電波を拾っているiPhone、そしてそこにそびえ立つ建造物のエレベーター前の時計も同じ時間を示していた。
自分の時計を疑っているわけではないが、やはり精度はクォーツに軍配が上がる。
自身のOMEGA・コンステレーション DAY・DATEは機械式の自動巻き時計なのだ。
もちろん歴史と実績を持つOMEGAが独自開発したコーアクシャルムーブメントは機械式時計の中でも高い精度を誇り、機械式の難点のであるオーバーホールも10年に一度程度で済むなど優れた性能を持っている。
しかし、このスマートウォッチなどのウェアラブル端末が普及した世の中では若者は皆、そっちに走る。
ウェアラブル端末など高くても5万ゼニー程度で普通の時計以上の高機能、対し普通の時計、もしくは何十万ゼニーもする高級時計はネクタイと同じように引き継がれてきた社会人の慣習のような扱いを受けていた。
安価で高機能、そして時代に合っているともなれば、新しいもの好きの若者がどちらを求めるのかは考えるまでもない。
クォーツならともかく機械式、自動巻きではなく手巻きとまでいってしまえばそれはただの金持ちの娯楽状態だ。

「こういう時に限って早まってるっていうことは無いのね」

ハートレスはため息をついた。
この時計を使ってもう10年近くになる。
オーバーホール時期というのもあるのか、最近、数分のズレが生じるようになっていた。
いい時計とは狂い出す時期まで正確なのかと驚かされた程だ。
しかし今ではズレていて欲しいと望んでいた。
アイリスから預かったチップを握りしめ、深く深呼吸をする。
すると、ようやく聞き覚えのある音が聞こえてきた。

「!?…やっと来たわね」

広場の前の料金所のETCで通過すると、僅か数秒でハートレスのガヤルドの隣にスター・イリュージョンは停車した。
ハートレスはすぐさま駆け寄る。
その様子を見ていた広場の数人の子どもたちはポカンと口を開けていた。

「容態は!?」
「最悪だ。予想通りダークチップで使われてる。もう限界だ」

スターダストは自分とメリーを繋いでいたベルトを外すと、メリーを抱えてイリュージョンを降り、そのままガヤルドの助手席に寝かせる。
そしてメリー
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