第2巻
テナルディエの策略
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俺を振り返った。ここの主である決め事なのに俺が決めてくれと言われたので、冗談か?と質問をしたら本気だったようだ。連中の目論み通りになったとしても、プトレマイオスは公国同士での戦は介入できない。というか戦姫を潰し合いとなったら誰が喜ぶかはブリューヌとテナルディエだけだ。国境付近で挑発しているからか、どっちを選択してもエレンは俺に従うと言った。エレンがブリューヌに行く事になって攻めて来たとしても、上空からの隊員達が降下してきてからライトメリッツを守る事も出来る。
「リュドミラと戦うべきだ、まあ戦姫同士で潰し合いは奴の作戦道理となるがこちらはいつでもテナルディエ軍と戦う戦力を持っている。まずは目の前で牽制しているのから倒すべきだ」
「どちらも得る事はないが、今は目の前を片付けるか。中々いい作戦案だな、よし。ライトメリッツ軍をオルミュッツ領土まで進軍してから、様子を見る」
という事で、俺は直接戦しないが支援はするのでライトメリッツ軍三千の兵はオルミュッツに向かって進軍を開始した。その中にはエレンの隣にて馬に乗っている俺もいたけど。プトレマイオス軍旗は出してない、これはエレン達の戦いなので部下達は出せないので俺単騎とエレン率いるライトメリッツ軍を南下して進むのだった。
一方ライトメリッツ軍がこちらに向かっているという報告をリュドミラ=ルリエが受けたのは自身の幕舎の中でだった。リュドミラは基本的に兵達と同じ造りの幕舎を使い、食事も同じモノを摂る。唯一例外と呼べるモノが紅茶で、彼女はほとんど常に携帯していた。今も、紅茶を飲みながら報告を受けている。
「そう。その中に、エレオノーラ本人はいるの?」
「斥候の何人もがそのお姿を確認しております。また、銀閃の戦姫様の隣にプトレマイオス神国ヴォルン大公の御姿も確認が取れました。隣で馬を並べていたと」
自分が仕えておらずとも、相手が戦姫と大公なら尊称を用いるのがジスタートの慣わしだ。他国でありながら忠誠を誓っているプトレマイオスのヴォルン大公の姿を見た者は最近になって増えた。まあそのはずだ、あの時の平原での戦でヴォルン大公の姿は、ジスタート王国から離れていてもその姿は噂として語られていた。そして噂が真実となると、兵達は神国の者と戦うのだと思っていたようだった。
「プトレマイオス神国の国旗やヴォルン大公の旗とかはないの?」
「それがどこにもないと、それも何人の斥候が同じように言ってくるようでした」
国旗やヴォルン大公の旗がないのであれば、ライトメリッツ軍の一兵士として戦うのだと思えたリュドミラ。兵が報告を終えると、ご苦労様とリュドミラは微笑む。
「疲れたでしょう。紅茶を飲んでいきなさい」
彼女が座っている椅子の傍には焼けた石が置かれており、その上には湯を
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