βテスター
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言葉に、俺は話し掛けることも忘れていた。
すると、男はこっちに気付いたようで少し悲しそうな顔で
「今の聞いちゃったか、ついさっきまで、母さんの作った昼飯を食って、妹と短い会話を話していたのに、あの場所に戻れないと思うとちょっとな……」
俺は何も声を掛けられなかった。
俺も、母子家庭で裕福ではなかったが毎日が楽しかった。
だが、それももう叶わないのかと思うと
目頭が熱くなってくる。
男が俺に思い出したように聞いてきた。
「そうだ、そういえば俺の名前言ってなかったな、俺のこの世界での名前……、PNは《キリト》だ。君の名前は?」
俺は質問をかねて、名前を名乗った。
「俺のPNは、《シュージェル》。宜しくな、ついでに聞くけど、何でさっきの民家でのクエストのことを知っていたんだ?」
男…、キリトは少し悩んだあとこう答えた。
「俺がβテスターだからだ」
直後、広場中央にある小さな櫓が
全街共通の時鐘メロディを奏でた……。
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