第4話
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に、ゲオルグは苦笑を浮かべつつ肩をすくめる。
そして、机を回り込んで男の側に立つと、その耳に口を寄せる。
「お前、自分がここにいることの意味を考えたのか?
そもそも、なぜ俺たちがあの場所を知ることができたと思う?
お前とお前の手下以外にあの場所を知っているヤツが居たのか?」
囁くような小声でゲオルグがそう言うと、男はゲオルグの方に目を向ける。
そしてゲオルグは大きく口元を歪めてニヤリと嗤う。
「あんな場所にテロ組織が本拠地を構えているなんて、誰かから聞かされないと
判りっこないだろ。 お前もそう思ったからあそこを本拠地に選んだんだろ?
なあ?」
男の肩に手をまわし、額がぶつからんばかりに顔を近づけて語りかけるゲオルグ。
その語り口は普段の彼の喋り方とは違って、まとわりつくような粘着質なものを
感じさせる。
ゲオルグの言葉はさも何者かからの密告によってテロ集団の本拠地が
判明したように聞こえるが、実際には情報課による地道な情報収集と分析の結果
判明したものである。
「そんなところに管理局が踏み込んできたんだ。何があったかは大体判んだろ?
そんな状況で今更義理立てして何になるんだ? なあ、そう思わないか?」
男から離れてその姿を見下ろしながら、今度は諭すような柔らかい口調で
ゲオルグは話しかける。
だが、男は再び目を閉じ黙りこんでしまう。
その様子にゲオルグは内心でため息をつく。
(やれやれ・・・、ここでゲロってくれりゃ楽なのになぁ・・・。
さて、じゃあここからは気合いを入れていきますかね・・・・・)
そしてゲオルグは目じりを吊り上げ怒気に満ちた表情を作ると
足を振り上げて部屋に置いてあった机を勢いよく蹴り飛ばした。
蹴り飛ばされた机は壁に激突し、大きな音を立ててぐにゃりと曲がった。
音に反応して思わず目を向けた男は、その派手な壊れっぷりに一瞬ギョッとした
表情を見せる。
「いい加減にしろよ、このチンピラが。
てめえのやったことを理解してんのか、あん!?」
顎を上げて見下すように男を睨みつけながら、ゲオルグは怒声を上げる。
「私たちは、管理局による一方的な支配に対して反対の声を上げただけだ」
対して、男はゲオルグの顔を睨むように見上げながら声を荒げる。
「支配に対する反対の声ねえ・・・」
男の言葉を聞き、ゲオルグは呟くようにそう言うとくつくつと可笑しそうに
笑い始める。
ゲオルグの様子に怪訝な表情を浮かべる男の前でたっぷり1分ほどは笑ったあと、
急に笑うのをやめて男を見下ろした。
「なら、その声とやらの招いた結果を直視してもらうとしようか。 レーベン」
《はい、なんでしょう?》
「例のスライド
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