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機動6課副部隊長の憂鬱な日々(リメイク版)
第4話
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2人がこうして昼時にばったり顔を合わせるのは本当にまれである。

「うーん、そだね。 ゲオルグくんはちょっと早めにお昼にすることが
 多いんでしょ? わたしはちょっと遅めになることが多いからね。
 今日は特別かな?」

「遅め? ああ、教導のあとにシャワー浴びたりするからか・・・」

「うん、そうそう。 だから、めぼしいメニューが無かったりすることが
 多いんだよね、悲しいことに」

「それは、ご愁傷様」

首を横に振りながら肩を落とすなのはの肩に手を置き、ゲオルグは慰めの
言葉を掛けた。

「うん、ありがと」

それに対してなのははニコッと笑って感謝の言葉を返した。
それからは他愛もない雑談が続き、15分ほどで2人は昼食を食べ終えた。
食器を返却し、食堂を出たところで2人の足は止まる。

「じゃあ、またな」

「ゲオルグくん!」

手を上げて踵を返しかけたゲオルグになのはが声を掛けると、
ゲオルグは足を止めて再びなのはの方に振り返る。

「なんだよ?」

「あのね、ゲオルグくんもはやてちゃんの部隊に参加するの?」

なのはが真剣な表情でゲオルグに尋ねる。

「まだ決めてない。 行きたいとは思ってはいるけど、いろいろ考えないと
 いけないこともあってね」

「そっか・・・」

なのはは呟くようにそう言うと目線を落として俯きがちになる。
周囲の喧騒とは隔絶されたように2人の間には沈黙の帳が下りる。
しばらくして、顔を上げたなのははどこか寂しげな笑みを浮かべていた。

「でも、わたしはゲオルグくんと一緒に仕事してみたいな。
 きっと、フェイトちゃんやはやてちゃんもそう思ってるよ」

「そっか・・・・・。 そう言ってくれるのはありがたいよ。
 前向きには考えてるから、そうなったらよろしくな」

ゲオルグがそう言うと、なのはの笑みが寂しげなものから嬉しそうなものに変わる。

「うん。 じゃあ、またね」

「おう。またな」

そんな言葉を掛けあい、2人はお互いの仕事場に向かって歩き出した。





なのはと別れたあと、情報部のエリアに戻ったゲオルグは慌てた様子で自分の方に
駆け寄ってくる工作班の班員に迎えられた。

「あ、3佐! 探しましたよ!」

その班員の姿を見たゲオルグは目を瞬かせて足を止める。

「ん? 何かあったのか?」

「はい・・・・実は・・・・・」

ゲオルグが尋ねると駆け寄ってきた班員は肩を上下させて荒い息を吐きながら
ゲオルグに向かって話しかけようとする。

「焦んなくていいから、ちょっと落ち着け」

「はい・・・すいません・・・・・」

その班員は何度か大きく深呼吸するとようやく息が整っ
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