二十話 動乱
[3/3]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
い出を…
いつだって一緒に居てくれた。
いつだって守ってくれた。
いつだって慰めてくれた。
いつだって許してくれた。
いつだって支えてくれた。
いつだって優しかった。
いつだって…
笑顔にさせてくれた。
狂夜は、その紅い眼で涙を流した。
そしてオルゴールのぜんまいが切れると共に神那の笑顔が心に残った。
「好きだった…好きだったんだ……だけど素直に…なれなかった…ごめんな…神那姉さん…」
狂夜は、地面に膝をついて泣いた。
ふと、狂夜の頬に暖かい温もりが触れた。
気づけばそこには神那が優しく微笑んでいた。
――泣かないで。
狂夜は、神那を抱きしめだが、
神那は、水に映る実態の無い物のように朧気にすり抜けた。
その神那は、最後に笑顔を見せて僅かな月の光と共に消えていった。
狂夜は、その微かな神那に笑顔を見せた。
そして月は雲に隠れ、光は無くなった。
狂夜は、立ち上がった。
「…」
月を隠した雲を見ながら。
__________________
「…貴方…まさか…」
狂夜の家の近く。
白夜は、その男を見る。
「…白夜か…」
その男の瞳は、全てを見透かしたように真っ黒で。
その男の声は、穏やかで、恐ろしさがあって。
その男は『オーダー』の幹部。
「…どうしてここに…」
「狂夜は何処だ?」
その男は、圧倒的な悪の大気を放っていた。
名を…
「…ボス!」
「あの方の命令であいつを殺す。新月狂夜を。」
歯車は動き出した。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ