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テイルズオブザワールド レディアントマイソロジー3 ―そして、僕の伝説―
第七十三話
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──それは、明らかに見て歪なものだと分かった。
一見するとまるで開ききった花のようなもの……そのどこか綺麗に感じれた花とは真逆にその花から生えたかのように一体化している結晶で造られたかのような大きな人型の上半身の姿をした何か。
その両腕から伸びる全てを引き裂く為にあるかのような爪も異様だが……一番異様に見えたのは、その人型の上半身の胸元部分にまるで『取り込まれている』かのように身体の上半身のみの姿を見せるラザリスの存在であった。
「何……あれ……」
「……ラザリスの創造を『否定』する意志と、ジルディアの民達の創造を『肯定』する意志……その二つが混ざり合い……『混沌』へと変わってしまったようだ」
『混沌』……確かにその言葉は今目前にいるそれに合っているものだった。花の下半身、人型の上半身……それに異形のような爪に取り込まれているラザリス。その本来合うことの無いような異様の姿は……まさに混沌《カオス》であった。
『イラ……ナイ……』
「ラザリス……?」
不意に、ラザリスの口がゆっくりと動き声が出た事に僕達は視線をラザリスへと向けるが……その声と様子に違和感を感じた。
そう例えるなら……あれは『ラザリスであってラザリスではない』、という感じの……。
『イラナイ……創造……民……世界……イラナイ……全部全部ゼンブ……イラナインダアァアァァァッ!!』
『『っ……うわあぁああぁぁ!?』』』
突如……ラザリスの声がまるでノイズが混ざったような声になり、そのまま叫んだと同時に衝撃波が出された。僕達は突然のそれに対処する事が出来ず、その衝撃波を受けて吹き飛ばされ……それぞれが後方の壁まで飛ばされた。
「ぐっ……かは……何だ……今の……っ」
「あれは……『混沌』の力が暴走している。ラザリス自身が『混沌』の力を制御しきれずにいるのだ……! このままではラザリスは完全に力に飲み込まれ、ルミナシアもジルディアも関係無く、全て破壊するまで止まらんぞっ!」
「! そんな……っ」
『ウウゥゥ……アアァアァァァァッ!!』
僕達の目前で依然と悲鳴のような雄叫びを上げるラザリス……いや、混沌《カオス》と呼ぶべきだろうか。確かにニアタの言うとおり……あんな大きな力をラザリスが制御しきれるとは思えない。このままだと本当に……世界は破壊されてしまう。
「……倒すしか……ないか……!」
「倒すって……衛司、でもアナタ……身体は……!」
「契約開放は発動して今三分……残り二分でどうにかしてみせるよっ! ヴォルトっ!」
「(! ……は、はい!)」
星晶剣を構え直す僕にカノンノが一度止めるようにそう声を上げるが、僕は言葉を返しながらヴォルトに頼んで星晶剣の刀身に雷を纏わせる。
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