第二章
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」
「そうなの」
「ラスボスが強いんだよ」
こう言ってぼやいてきた。
「あんまりにも。あの会社のゲームはいつもそうだけれど」
「そんなに?」
「うん。今回は特に」
今度は彼の方が困った顔になっていた。もっともそれも久代から見れば全く取るに足らない悩みであったが。それでも悩んでいるのは事実であった。
「滅茶苦茶な強さで。どうしたものかな」
「ネットで攻略法とか調べてみたの?」
「調べてみたけれどね」
それでも上手くいかないらしい。浮かない顔からそれがわかる。
「それでも。難しいね」
「そうなの」
「それでもだよ」
彼は言う。
「今日こそは倒してエンディング見るから」
「そう、頑張ってね」
「うん、そうするよ」
そんな話を夜道でする二人であった。久代はその中でも決意を固め続けていた。そうして曽於土曜はすぐにやって来た。久代はとってきおきの服を着てデートの待ち合わせ場所に向かった。駅前の噴水のところである。そこに行くともう清司が待っていた。彼はシックな黒っぽい服に身を包んで赤いマフラーをしていた。久代のプレゼントである。
「待った?」
「ううん」
清司は久代に顔を向けてにこりと笑って応えてきた。
「今来たところだよ」
「そう、よかった」
にこりと笑ってきたその清司の言葉を聞いてまずは微笑むのであった。しかしそれでも心の中はやはり悩みが支配していたのであった。
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