暁 〜小説投稿サイト〜
バカとテストと白銀(ぎん)の姫君
第二章 彼と彼女の事情
第十五話 未来への扉、過去への誘い(いざない)
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でしょうか?」
「十分すぎるほどに、ね。」


いくら四月でも六時を過ぎればあたりは暗くなり、そして風は涼しくなる。夕日がいつもより綺麗に見えるのは、いつぶりかの心の平安が戻ってきたからだろうか。
和室から出た私たちは、西村先生の何か物言いたげな視線だけを浴びるだけで学校を出ることができた。
今の時期はまだ大会に向けての練習などで残る体育会系クラブの生徒も少なく、グランドに見える生徒の数も三々五々と言った感じで、鉢合わせも生じなかった。
「それにしても千早さんってギャンブラーよね。」
「そうでしょうか?」
彼女の白銀の髪に夕日が反射してきらめく。
彼女に憧れて私もロングスカートにしてみたけれど、やはりご本人に及ぶことなどないだろうな、だなんてバカなことを考えながら応える。
「普通、この部屋の中に私が居るなんて思わないでしょ、推理したとしてもそこまで待ち続けるだなんて…」
「……あぁ、確かにそうですね。ですが、和室の扉の鍵は閉まっているのに、和室の中に人影が見えたものですし、以前和室で考え事をするのは変なことだろうか、とご相談されましたし。」
その言葉に関心を覚える以上に恥ずかしさを感じる。
「何それ、すごく恥ずかしいんだけど。」
頭隠して尻隠さずとはこういうことを言うのだろう。


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