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バカとテストと白銀(ぎん)の姫君
第二章 彼と彼女の事情
第十五話 未来への扉、過去への誘い(いざない)
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に隠そうとした、相反する感情
何もかも、もう隠すことなんてできない。

「友香さん?」
私は前のめりに倒れるように千早さんの胸に飛び込んだ。
自分のやってしまった事に後悔するけれども、一度やってしまったこの世界での行動にリテイクなんて無い。
(わたし)ってどれだけ愚かなの……」
密着しすぎたあまり、耳に直接千早さんの心臓の音が響いてくるほどだった。
少し鼓動が早いのは、私の突然の行動に戸惑っているからだろうか。
「ごめんなさい、千早さん。こんなはずじゃなかったのに……こんなはずじゃ……」
口から出てくる言葉はもう謝罪の言葉ばかりで、相手を困らせてしまうに違いないのに。
もう言うことを聞かない。
ワタシノココロ

急に胸に飛びこんだ私を、彼女は強く抱きしめて、受け入れてくれた。
突き放すのは彼女の性質上そんなことはしないだろうと思っていた。
だから、弱みに付け入るような気持ちでしたのに、そんな彼女の予想外の行動に、一気に感情が解されてしまった・
「ごめんなさい……ごめんなさい………」
少なくとも泣かないように、ただ熱に浮かされたように繰り言を言うだけで居たかったのに
千早さんの胸に顔を埋めながら、私は泣きじゃくり初めてしまった

「友香さん、ただ……(わたくし)の方が何倍も愚かだということだけですよ。」
そんな声が聞こえたのを記憶の最後に、私の意識はそのまま暗転してしまった。



「ごめんね、ちーちゃん…ごめんね……」
「ううん…こっちこそごめんなさい……」
小さな子供たちが抱き合って泣いているのを、私は俯瞰した感じで眺めているのだろうか。
髪の色以外はよく似た二人だった、姉妹なのだろうか。
しかし一人は男の子っぽい服を着ているのだから二人は姉弟なのだろうか。片やすこし茶色味がかった黒髪の少女、片や日本人離れした銀髪の
「これはね、ちーちゃんと私の、大切な思い出なんだ」
急に後ろから声を掛けられ、私はそっちの方を振り返った。
小学生ぐらいだろうか、この女の子もやっぱり茶色っぽい髪をしている。
「あなたは誰?それとこれは思い出ってどういうこと?ここ何なの?」
「私?私は千歳だよ。それでここは……なんだろうね?夢なのかな?」
にこにこと朗らかに笑う少女、その笑顔をどこかで見覚えがあるように思った。
そうだ、千早さんがいつも浮かべている微笑みがさらに柔らかくなったら、丁度こんな感じになるんじゃないだろか。
「ちーちゃんってね、すっっごい優しい子なんだ。それはね、私の人生で一番の自慢なんだよ」
そんなことを目の前の少女は胸を張って言い切った。
「友香ちゃん、ちーちゃんと仲良くしてね。」
えっ?何でこの子は私の名前を知ってるの?
「それはね……ってごめんね。もう還らないといけない
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