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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epos55真なる目醒めの刻は今/紫天の盟主〜Yuri Eberwein〜
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ェだった。その表情はU-Dの無事を気遣う色に満ちていた。彼女から反応が返ってきたことでディアーチェはホッと安堵の息を吐き、「我らの戦術が上手く嵌ったようだ」と呟いた。ディアーチェの取った戦術は、シュテルが提示したU-D停止作戦だ。
飽和攻撃によって暴走していた彼女の核・エグザミアの活動を強制的に止めさせ、その隙にシステムU-Dの制御プログラムであるディアーチェが、彼女へと制御プログラムを打ち込んでシステムを上書きする。その作戦は「エグザミア・・・本当に、止まって・・る・・・」彼女のその一言で成功したことが窺える。

「必然の結果よな。何せ、我らが成すことなのだ、失敗などありはせん。それに、こう言うのも癪に障るが、他の連中の助けも・・・それなりに使えたからな。ほ、ほんの少し、無いよりはマシな程度だがな」

ディアーチェには珍しく、共にU-Dを止めるために動いてくれた管理局組・未来組に感謝をしていた。そして小さく咳払いを1回し、「まぁ何はともあれ、U-D。貴様はもう、無闇な破壊を繰り返すこともない。しばらくは不安定な状態もあろうが、この我が監督するのだ。安心せい」と伝えた。

「何故、そんなことを・・・?」

「貴様は憶えておらぬか? 永遠結晶(エグザミア)と、それを支える無限連環(エターナルリング)構築体(マテリアル)。つまり我ら6基が揃って初めて1つの存在なのだ」

U-Dが少し口を閉ざす。思い出そうとしているようだが、思い出せないようだ。すると「よい。無理に思い出さずとも」とディアーチェが制した。

「・・・闇から暁へと変わりゆく紫色の天を織りなすもの、紫天の盟主とその守護者。我、ディアーチェが王であり、シュテルとレヴィとフラムとアイリが臣下であり騎士。そしてお前は、我らの主であり、我らの盟主なのだ」

「私が・・・主・・・?」

「うむ。我らは永く、お前を捜していた。我らが我らであるがため、お前が独りで泣いたりせぬよう、ずっとだ。とは言え、惰眠を貪り、さらには捜すのにも随分と手間取ってしまった。本当に、待たせてしまったな。
しかし。たった今より、お前のことをもう二度と独りはさせぬし、望まぬ破壊の力を振るわせるようなこともさせぬ。お前の憂い、シュテル達もすぐに戻ってくる。ゆえに安心して、我が元に来い」

優しい声色でそう言うディアーチェに、「・・・王。私は・・・」U-Dの瞳が潤み始める。そんな彼女にディアーチェは「待て。我ら以上にチビだが、曲がりなりにもお前は我らが盟主なのだぞ。王などと呼ぶでない。名で呼べ」と苦笑交じりに叱責した。

「・・・はい。ディアーチェ」

「うむ。それでよい。っと。お前にもう1つ、伝えねばならぬことがあった。それは、お前の真の名だ。砕け得ぬ闇、システムU-D。そんな無粋な名
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