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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epos55真なる目醒めの刻は今/紫天の盟主〜Yuri Eberwein〜
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て、彼女を起動したとしても、彼女自身に制御プログラムが無いのであればその膨大な力は暴走するだけ。
彼女の制御には、“マテリアル”というプログラムが必要なのだ。システムU-D1基とマテリアル5基、計6基が同時に起動されることで、その真価を発揮できる。それを知らなかったその後の持ち主たちは、ただでさえ凶悪な機能を持っていた“闇の書”の狂気だけに留まらず、彼女の暴走に巻き込まれて息絶えることとなった。

――そしてシステムU-D――彼女は、自らの復活が及ぼす悪影響を憂い、“闇の書”の奥深くへと自らを封じた。デコイプログラムで自らの存在を知られるようなことにならないよう、奥、ずっと奥へ。二度と自分が復活できないように、自身に繋がるプログラムを切り離してまで――

彼女とて、破壊を望んでやっているわけではない。本当の彼女は優しかった。彼女の起こす破壊行為は、彼女の核であるエグザミアの生み出す特定魔導力による自壊を防ぐための自己防衛だ。破壊に魔力を消費することで、駆体の自壊を防いでいたのだ。
そして、彼女を構成するプログラムの複雑さがいけなかった。システムU-Dの起動と同時に連動して起動することのない、彼女の制御プログラム群であるマテリアル。だがそれを知ろうとせず、力に魅了されるだけの持ち主たち。悲劇・惨劇が繰り返されるのは必然だった。

――だから彼女は、自分の救いを諦めた。夢を持つことも、希望を持つことも、前向きになる感情も、その全てを諦めた――

しかし、その悪夢の終わりの兆しが見えた。数ヵ月前、“紫天の書”の後に組み込まれたプログラム・“ナハトヴァール”の撃破。それが彼女やマテリアルにとってのあまりに永き絶望の旅路の終焉を齎す要因となった。
“闇の書”に組み込まれたばかりのナハトヴァールの肥大化していく膨大なデータ量によって、システムU-Dとマテリアルはその頃より強制的な休眠期へと入らされた。意識はあっても何も干渉できず、他のプログラムとのコミュニケーションが取れない、ただナハトヴァールに抑え込まれて好きなように動けない。それがマテリアルにとっての悪夢。しかし・・・

――行くよ、夜天の主とその守護騎士の名の下に――

――眠れ、ナハトヴァール――

――お前はもう、居ちゃいけないんだ――

――あなたの旅路も、今日これまでよ!――

――終わらせてもらう、この歪みきった呪いの運命を、ここで!――

――さようならや。アウグスタさん。ナハトヴァール――

最後の夜天の主・八神はやてと、彼女の下に集いし夜天の守護騎士ヴォルケンリッター、そしてその仲間たちによって、ナハトヴァールは消滅した。それが切っ掛けとなり、抑え込まれていたマテリアルが半端ながらに不覚醒、起動した。
それゆえに問題もあった。マテリアルは、不完全
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