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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epos55真なる目醒めの刻は今/紫天の盟主〜Yuri Eberwein〜
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一体どれだけの永い年月が掛かったのだろう。何十では足りない、何百年という永きその年数の旅路。彼女は歩んだ。たとえ、彼女の目覚めが破滅の兆しであろうとも、行く手にあるモノを破壊することになろうとも、その足音が周囲に絶望を撒き散らすものあろうとも、化け物だと後ろ指を差されようとも、永い年月を歩み続けた。

――砕け得ぬ闇・システム:アンブレイカブル・ダーク――

彼女はそう呼ばれていた。“闇の書”と呼ばれる、魔導書の主と共に旅をして、各地の偉大な魔導師の技術を蒐集し、そして研究するために作られた蒐集蓄積型の巨大ストレージ。その魔導書の奥深くに彼女は眠っていた。それは何故か。

――“闇の書”。その本来の名は、“夜天の魔導書”。元は健全な資料本だった――

“夜天の魔導書”は旅をする。そして壊れた蒐集データを復元する機能も備わっている。そして蒐集した魔法は、完成後かつ魔導書の管制プログラムである融合騎と融合しなければならない、という条件付き、さらには元々の術者との魔法資質の違いによっては別の効果となったり、術式を組み直す必要があったりするが、それでも魔導書の持ち主にも扱うことが出来るという機能まである。
そんな機能を持ち得た歴代の持ち主の中には、当然その強大な力を持った魔導書を悪用しようという考えを持つ者も居た。持ち主だからこそ魔導書に干渉し、プログラムを書き換えることが出来る。そう、自分の思うが儘に。

――そのような悪意あるプログラム改変が幾度と行われ、そして“夜天の魔導書”は・・・・狂った――

元は研究用の資料本が邪な改悪によって暴走した。壊れたデータを修復するためだったプログラムは、どれだけ破壊されようとも必ず無限再生する機能に。持ち主と共に旅をする転移機能は、魔導書を扱える資質ある魔導師の元へと転生する機能へと変貌。さらには、一定期間魔力の蒐集を怠れば、“闇の書”の持ち主の魔力から強制蒐集を行い、果てには持ち主を殺してしまう。

――そして夜天の魔導書は、闇の書となり、呪われた魔導書とも呼ばれるようになった――

“闇の書”として活動を始めてまた永い年月が経つ。その中でまたも別の持ち主が、魔導書へとあるプログラムを加えた。それこそが、“紫天の書”。狂い壊れた“闇の書”を乗っ取り、“闇の書”の全プログラムを支配しようというプログラムだ。しかも大元となる“闇の書”からの干渉を受けないように施されていた。だが、その“紫天の書”プログラムには問題があった。

――システムU-D。永遠結晶エグザミアを核とする、特定魔導力を生み出し続ける無限連環機構。それが彼女の正体――

砕け得ぬ闇――彼女には、自分の制御統制プログラムが備わっていないのだ。彼女はあくまで未知の魔力素を無限に生み出し続ける動力炉。その無限の力に惹かれ
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