夢壊し編
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事件報告
〇〇県一家強盗殺人事件
昭和53年11月2日に〇〇県△△市のとあるアパートの一室にて強盗殺人事件が発生した。
犯人はこの部屋に住んでいた坂崎水輝(37歳・女性)とその息子の坂崎浅葱(9歳・男性)、坂崎藍(9歳・男性)をナイフで切りつけるなどとした。うち水輝さんと浅葱くんは現場で死亡が確認され藍くんは瀕死の重傷だったため病院に搬送された。その後、一命を取り留めるがショックによって記憶に齟齬が生まれているため事情聴取はほぼ不可能である。
死亡した水輝さんは寝室で胸や喉などに13箇所の刺傷を受け死亡しており、被害者が寝ていたベッドやその周辺は夥しい返り血で赤く染まっていた。被害者が抵抗した様子はなく就寝中を襲ったと思われる。
同じく死亡した浅葱くんはリビングにて発見された。腹部や腕などの比較的軽い傷を5箇所と左目に深い刺傷を受けていた。左目の傷が致命傷と見て間違いないとのことだった。
また彼の遺体のそばには血のついた包丁が転がっており、被害者の傷のつき方から見てこれが凶器であると断定した。尚、指紋は検出されなかった。
藍くんは同じく鋭利な刃物によって背中や腕、顔などを切りつけられ、先ほど述べたように一時的に意識不明の重態に陥る。浅葱くんと同じくリビングで倒れているところを発見された。その後、搬送先の病院で命をつなぎ止める。現在は意識が回復し3ヶ月後には退院予定。
浅葱くんと藍くんは一卵性双生児で、発見当時は見分けが付かなかったが藍くんの意識が回復したときの質問によりそれぞれが双子のどちらかがわかった。
第一発見者は、被害者と同じアパートの住人で亡くなった水輝さんと親しかった相川陽子(40歳・女性)である。彼女は2日の朝6時頃、ゴミを出しに行く途中、坂崎家の前を通り、ドアノブが血で汚れていたため不審に思い、ドアノブをひねったそうだ。鍵は空いており、廊下には血で足跡が付いていたため警察へ通報。検察が到着する5分の間に好奇心に駆られリビングを覗いたところ血だらけになっている浅葱くんと藍くんを発見する。
相川氏は水輝さんとの揉め事は全くなく証言にも不審な点はないということで犯人ではないと思われる。
また、被害者たちの傷の数から考えてよほど強い恨みを抱えていた人物、もしくは異常者の犯行と見て捜査を行っている。
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