暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
StrikerS編
79話:荒ぶる炎(ほむら)
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キャロはいつも通りに戻っていた。
しかし、士の攻撃が怪人に命中した辺りから、四人の目は士の戦いに釘付けになっていた。
弾丸が飛び、火花散る攻撃。それは魔力主体となったこの世界では、ほとんど見られなくなった光景だ。口から酸が飛び出すなんてこと、普通じゃありえない。
それらの光景を見た四人は、驚きに顔を染める。しかしその中で、一人だけ驚きだけでなく疑問を抱いている者がいた。
(なんで…なんで攻撃を仕掛けないのだろう?)
ティアナだ。今の士と同じように銃を使う彼女は、怪人が酸を吐き出す間に、攻撃できるタイミングを何度か感じていた。
なのに、士はそこで撃たずに再び酸が飛んでくるのを待っているようだった。
「―――大丈夫だった、皆?」
そこにいきなり、後ろから声をかけられた。四人はいきなりのことでビクッと体を揺らし、すぐさま振り向いた。
そこにいたのは、空戦を終え戻ってきたなのはとフェイトだった。
「エリオ、キャロ。お疲れ様」
「は、はい!」
「フェイトさんも、お疲れ様です!」
うん、ありがとう。とエリオとキャロの言葉に返すフェイト。
「スバル、怪我の治療するですよ」
「あ、はい。ありがとうございます、リイン曹長」
さらに列車停止に一役買ったリインも戻ってきて、怪人の一撃で多少の怪我をもらったスバルの治療を行う。ティアナもスバルの腕を放し、リインにスバルのことを任せる。
しかしその間も、ティアナは士の戦いから目線を外さなかった。その様子を間近で見ているなのはは、思わず声をかけた。
「何か気になる、ティアナ?」
「え? えぇ…まぁ……」
なのはに問われ、ティアナは素直に先程感じたことを話した。するとなのはは「あぁ…」と何か納得したように声を上げた。
「何か、わかるんですか?」
「う〜ん…まぁ、見てればわかる…と思うよ」
ふふ、なんて含み笑いをするなのは。それを少し疑問に思いながら、再び士の戦いに視線を向ける。
なのはの言う答えを知る為に。
(一回酸を溜めると、五回吐き出すか……やるならこのタイミングだな)
十五回目の酸が放たれ、ほんの一瞬のインターバルをはさんで再び放たれた酸を見て、士はそう思考する。
そう、先程のティアナの疑問の答えは、そのほんの一瞬のインターバルがブラフであるかないかを確認する為に、見逃していたのだ。
ティアナの言うタイミングもこのインターバルのことだったのだが、士はそれを敵がわざと空けている瞬間なのではないかと考えていたのだ。
もし士が考えていた通りであったなら、攻撃に転じ
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