暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
StrikerS編
79話:荒ぶる炎(ほむら)
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迫り来る怪人。士はそれを冷静に見定め銃の引き金を引き、怪人に目掛けて魔力弾を打ち出す。
魔力弾は見事に怪人の体に命中するが、結果は少しも怯むことなくこちらに突っ込んでいく。
(やっぱりこいつ、魔力に対して耐性があるのか…?)
先程のティアナとスバルの二人の戦いを見ていた士は、二人の攻撃が怪人にあまり効いていないことに気づいていた。
ティアナの魔力弾と、一撃を受けながらもスバルが放った砲撃。非殺傷設定にされているといえど、二人の攻撃を受けて無傷でいるのは流石に可笑しい。
となれば、怪人自体が魔力に対して何かを持っている。士は怪人の様子を見て、そう考えたのだ。
そして、それは今自らの攻撃で証明してみたのだ。
「なら、今度は……」
そう呟き、士は銃口を一旦引いてから、腰に位置するトリスに念話で指示を出す。『非殺傷設定を解除するように』と。
それから目の前まで迫ってきた怪人の肩に手を添えて飛び上がり、空中で怪人の背中に銃口を向けて引き金を引く。
放たれた弾丸はまっすぐに怪人の背中に命中し、火花を散らす。その衝撃に怪人は前のめりに倒れて転がる。
その後悶えるかのような声を上げ、列車の天井の上を転がる怪人。その様子を見る士の額には、何本か皺が寄る。
(可笑しい…明らかに可笑しい……)
攻撃をもらい、天井を転がるその様子に、士は疑問を覚えていた。
本来、怪人とは人間よりも優れた肉体を持つ。それはこの世界で言う質量兵器≠ニ呼ばれる物の攻撃を、易々と受け止められるだけの強靭さがある。日本の警察の拳銃が効かないのが、その証拠だ。
しかし、この怪人は違う。いくらライダーの使う銃の弾丸が強力だからといえど、数発食らっただけではこうはならない。この反応は、いわば戦闘員…または下っ端の怪人のそれに近い。
この怪人は明らかにそういう役職の者ではない。なのにそう見える。となるとショッカーの怪人ではないのかも……
(製作者が違う……ガジェットを作った奴か……?)
レリックを狙うガジェットを作った科学者。もしかしたらショッカーとの繋がりがあり、技術提供をされたか?
それならまだわかる。殺傷設定の攻撃に柔なことも、AMFを持つガジェットを作っていることを踏まえるなら魔力に耐性があることも説明がつく。
そのとき痛みが引いたのか、怪人がようやく立ち上がる。しかも声色から感じるに、怒っているらしい。
怪人はその怒りをぶつけるかのように、叫び声を上げながら士に迫る。対する士はライドブッカーを剣へと切り替え、待ち構える。
「ガアアァァァ!」
「―――見え見えだよ」
「グォァ!?」
腕を振り上げ、そ
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