第壱章
第三席。法正、旅を続けるとのこと?
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」
「あ、そう言えば聞いてなかったわね」
『……言ってなかった?』
『……法 孝直。こっちは愛狼の的盧』
自己紹介をすると――――――
「「「え、法正!? ってか狼!?」」」
――――――色々と驚かれた。
『……えっと、取敢えず落ち着け』
飛鳥が三人に対してそう言うと――――――
「「「ハ、ハイ」」」
――――――どうやら落ち着いたようだ。
『……まず、的盧のことで驚くのは、初見では仕方ないとして。……何でオレの名前聞いて驚いてたの?』
と、飛鳥は自身が気になった事を三人に対して聞いた。
「えっと。今、大陸では天の御使いと同じ位広まってる噂があるんです。ご存知無いですか?」
『……天の御遣いと同じ位? ……ないな』
「そうですか。その噂とは、双狼の舞姫と言われてる人が各地で悉く賊を討伐していると。その者の身なりは蒼い髪と瞳をし、狼のような遠吠えと共に舞うような戦い方で賊などには容赦ない鉄槌を下し、貧しい村には何かしらの施しをしていると。そして多種多様の武器を使い、巨大で銀色の美しい毛並みの狼を従えていると」
『……舞姫?』
「ええ。舞う様な動きで敵対者を討滅するから付いたとか」
『……舞姫、か』
「何を驚いているの? 口調こそ男みたいだけど貴女は女性でしょ?」
「だよねー。私噂を聞いて何かこう、ごつい人想像してたんだけど」
「実際逢ってみると綺麗な人よね」
『……一応言っておくと、オレは男だ』
飛鳥が三人に対して間違いを指摘すると、揃って驚いた表情をした。
「………嘘はよくないわ。こんなに線が細くて、綺麗な人が男なわけない」
「そうよー、そんな見え見えな嘘は通じないんだからー」
「お姉ちゃんより綺麗かもしれないモンねー」
『……嘘は言ってない』
飛鳥は、未だに疑う三人の手をとり、自身の胸に押し当てる。行き成りの事で驚いていたが、三人は男と納得した。しかし――――――
「………男の人なのに、こんなに綺麗なんて」
――――――と、三人とも女性としてのプライドにヒビが入ったようだ。
『……兎も角、男として認識してもらえて、何より。で、何で川から流れてきたの?』
と、ここで飛鳥は、結構気になっていた事を聞く事にした。
「…………実は、空腹で川の近くを歩いていたら足を滑らせてしまって」
『……なるほど。それで、川に』
「でも、何故助けてくれたのですか?」
『……ただの偶然。釣りをしていて、竿に反応があったから、釣り上げた。そしたら、三人が掛かってた』
「………そうでしたか。しかし助けてもらったのは変わりません。お礼といっては何ですが、私の真名、人和
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