26話 ≪4つの鏡≫
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◆勝敗の行方◆
イプセンの古城内は所々天井と床が逆さになっており、おまけに小型から大型モンスターも徘徊していて探索は思ったよりはかどらない。
細長めの尻尾を持つ少年ジタンは、盗賊刀と呼ばれる握り部分を中心にした両先端に刀身が備わった得物を駆使し、
亜人の女性、竜騎士フライヤは自身の身の丈ほどある槍を巧みに操る。
黒魔道士の男の子ビビは、小さい身体から想像できない程の魔力を備えているらしくその黒魔法の威力は目を見張るものがあり、
額に一角のツノを持つ召喚士の女の子、エーコは召喚獣に力を借りつつ横笛のような物を奏で、ダメージを受けた仲間を白魔法で回復する役も担っていた。
………本来、この場に居るはずのない赤魔道士マゥスンは記憶を失くしているからと4人に気を遣わせるが、時折メンバーが危ない状況に陥ると持っていた細剣で戦闘の手助けをし、エーコに「あなたほんとにキオクないの〜?」と疑われるが、「戦闘経験があるのなら、記憶を失っていても身体が憶えているものじゃ」とフライヤがフォローしてくれる。
「ふぅ……、さっきのトンベリ相手はちょっとヤバかったな。また厄介なのが出て来ない内に進もうぜ」
「うぅ、ジタン……とんずら使ってくれてもいいのにぃ」
モンスターとの戦闘が苦手なのか、ビビはつい本音を漏らす。
「いや、けどあれ使うと何でか少しギル落としちまうからなぁ。なるべく使いたくないというか……まぁ、よっぽど危なかったらギルがどうとか言ってらんないけどな!」
「んもぅ、ジタンってば余計なヤツ相手してたらサラマンダーとの勝負に勝てないわよっ!」
「そうじゃな……サラマンダーの事じゃ、既に異世界への"鍵"となる物を見付けておるやも知れぬ」
「 ………… 」
急かすエーコにフライヤが同意を示し、そうこうしている内に新たに上層へと続くリフトを発見しそれに乗って"4つの鏡"が飾られた壁画の間に行き着くが、そこには既に先客が待ちわびて居た。
「 ────遅かったな、ジタン。必要以上に他の連中と行動を共にしやがるから、動きが鈍るんだぜ。勝負は……俺の勝ちだな」
腕を組み佇んでいたのは、やはり焔色の頭髪で逞しい体つきのサラマンダーだった。
「ま、確かに独りの方が身軽だろうけどな……。で、異世界への封印を解く鍵はそこの壁に掛かってるやつか?」
「調べては見たが、細かい事は知らねぇな。────俺にはもう関係ない話だ」
「それってどーゆうことよ、サラマンダーっ?」
彼のつっけんどんな態度に、むっとするエーコ。
「お前らに同行する必要はなくなったって事だ、自分の"やり方"が正しいと判ったからな。……次に会う時は、敵同士かも知れねぇぜ」
ろくな
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