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Muv-Luv Alternative 士魂の征く道
序章
04話 邂逅
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った時眠っていたのは強心剤による頭痛対策としてかなり飯を食わされたかららしい。
一種の興奮剤でもある強心剤を打たれては普通は眠れないが、飯を食うと血流が腹に集中する為、疲労と相まって眠りこけてしまったとのことだ。
だが、完全な眠りとはいかず夢を見やすい状態だったらしい。―――それで見た夢が悪夢とは、彼女の安らぎは一体何処にあるのだろうか。。
「では、先ず改めて自己紹介を。私は斯衛軍第三大隊所属、第三中隊ホワイトファングスを預かる篁 唯依中尉です。以後よろしくお願いします。」
「ああ、よろしく頼む―――先に聞く、俺の隊の他の連中はどうなった?」
真剣な眼差しで少女、篁 唯依を見つめる。
その最期を聞き届けるのは彼らを率いたものとしての最期の義務だ。
「……我々が回収できたのは大尉だけです……まるで大尉を守るかのように他の不知火の多くは大尉の機体を中心とした円形に自爆したようで……」
「そうか……」
最後のあの瞬間、推進剤が底を突きもはや戦闘続行が不可能になった不知火壱型丙。
S-11を起爆させようとして、自決装置の故障で自決出来ず、損耗限界を突破した不知火壱型丙の膝関節が折れ、動けなくなったところを要撃級の触角で機体を叩き潰された。
―――そのあとの記憶は無い。
「大尉の機体も大破状態で……燃料の残量が殆ど無かったため誘爆はしませんでしたが、圧潰したコックピットに押しつぶされて大尉の躰は――――あと数ミリ体がずれていれば命は無かったそうです。」
「死神にも随分と嫌われたらしい。皮肉だな……」
何処か遠くを幻視する――前線の絶望的な個所へ投入される斯衛の黒と白の衛士たち。
その中でも自分が率いる部隊は事さら激戦区へと投入されてきた。
実戦データの少ない瑞鶴をはじめとする日本列島での戦術機の運用データ取得の為、四国斯衛軍の中でも更に生え抜きの部隊員が集められていたが、その実態はモルモットだ。
不知火壱型丙が回されてきたのには、せっかく京都で投入した初期生産型の壱型丙の多くが全滅した為、そのデータの再取得という面もある。
また優先的に補給が受けられてはいたが、それは帝国軍兵からのやっかみもまた受けることとなる。
それに加え、自分が上申した内容もまた四国地方の帝国軍ではそれなりに広まっていた。部隊の損耗率234%という数値を叩きだしていた自分の中隊、その中で己が生き残り続けた事と相まって自分の味方からの呼び名は死神だった。
そう、味方にとっての死神だったのだ。
黒い死神と呼ばれる自分が死神に嫌われているとはなんという皮肉か。
「大尉……」
鎮痛な表情を取る篁唯依、それは自分一人が生き残ってしまう……残されてしまう
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