暁 〜小説投稿サイト〜
明日の日記
学園祭
[4/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


「 そろそろきますかね 」

「 何が来るんです? 」

「 敵ですよ 」

「 それは楽しみですね 」

「 自信あるんですか? 対人戦闘は始めてでしょう? 」

「 まぁ、見ててくださいよ 」

「 ふふ、頼りにしてますよ 」

ニヤニヤしている怪しい二人組に襲撃者が現れたのは、その直後だった




--------------







【 レン視点 】


「 まぁ、こんな感じでどうでしょう? 」
「 意外にやりますのね・・・おどろ・・いや、安心しましたわ 」

シルメリアは一瞬驚いた様子だったが、すぐにいつもの笑顔に戻った
やっぱりいつもの笑顔が一番かわいい
僕は折れた左腕の痛みに耐えながら、なんとかそこに立っていた
腕が折れるって、意外と痛いんだなぁ・・・なんてあくまで客観的に自分を見る
痛みに耐え切れず叫んだり、苦痛に顔を歪めることは無い
ただ現実を受け入れる
左腕が折れただけだ。死んだわけじゃない

「 ・・・ケガがすぐ治る魔法とかあります? 」

「 1回5000円です 」

「 ま、マジですか・・・ 」

「 冗談ですよ。でも、この世界に来てから物の価値観が変わりました
  お金が無いと何もできないんですね・・・ってことで
  あなたから都合よく巻き上げようとしたのですが、あんまりお金持ってそうではないですし、
  なんだか不憫に思えて・・・ 」

なんだろう、胸を締め付けるこの気持ちは・・・
そうか、これが・・・敗北感・・・

「 お金くらい、作れるんじゃないですか? 」

「 どうやって作るというのですか? 」

「 いや、なんかこう、念じたりとかしたらお札が増えたりしないんですか? 」

言いつつ、シルメリアに財布から出した諭吉を渡す
お釣りはいらねぇっすよ!   ・・・うん、ほんと。
ほんとにいらな・・・い、いらないと思う・・・そんな気がしたりしなかったり・・・
1万円札を両手で持ち、瞼をそっと閉じるシルメリア
辺りが少し暗くなる

「 そんなに都合良くできるわけが・・・ 」

お札を持った両の手の間に、紫の電流が迸る
眩い光が僕たちの視界を奪っていった・・・そして、光が消えた
おそるおそる目を開けて、シルメリアの両手、正しくはその間にあるものを見る
そこにあったのは、1枚の1万円札・・・だった燃えカス。

「 ・・・・ 」

「 ・・・・ 」

「 ・・・やはり、ズルはいけませんね 」

「 ですね、地道に稼ぐほうがよさそうですね 」

今日僕は大切な事を学びました
ズルしちゃだめ!ゼッタイ!!
悲しくなんてないさ・・・あれ? 頬を流れるこの雫は何
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ