学園祭
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ぶんと太い光の筋が差し込む
まるで、あのときから止まっていた時間が動き出したように
「 意外と、日当たりは悪くなかったのか 」
差し込む光に目を細めながら、何かが始まる・・・いや、
何かを始めてみようという思いが湧き上がってくる
「 自分の事だけ考える訳にもいかないか・・・ 」
なんて考えつつも、掃除する手は動いている
「 ついでにお前らもキレイにしてあげましょーかね 」
2人が使っていた机とイスも掃除し始める
机の上には、先生の話を聞きながらとっていたメモや
前の日にギリギリまでやっていた課題などが、持ち主を待っているようにたたずんでいる
捨てはしない。ただ、机の上を拭くために少しずらしただけだ
掃除に真剣だったので、そこに文字が書いてあるのに一瞬送れて気付いた
メモの下になっていたらしい
そこに文字があっただけでも、おっ!となったが、その内容は僕を更に驚愕させた
『 使徒 発見次第討伐
風貌 黒いコート 』
どこからか聞こえる学園祭準備のトンカチの音だけが、頭の中に反響していた
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【 レン視点 】
この席使ってたのってケンヤ?いづき? どっちだっけ
思わぬ発見が僕の胸の鼓動を加速させる
こっち側の世界にいるのは自分だけだと思っていた
周りの人間には存在すら知られていない神様のお遊戯のはずだった
幼い頃から自分という存在が特別だと思っていた
・・・・それなのに
思い出せるはずだ
まだそんなに時間が経ったわけじゃない
2人のどちらかがコマだったことが分かったんだ
どちらかハッキリさせたい! どっちだ、どっちなんだ?
「 知ってどうするのですか? 」
・・・酷く冷たい言葉だった
背後から聞こえてきたその言葉は、火照った頭の熱を取り去るには十分で
振り向かずとも誰が発した言葉なのか僕には分かった
ゆっくりと振り向く
入り口ドアの横、女神様が壁に背中を預けて腕組みをしている
いつもの明るい印象からは想像できないほどに暗い影を落としている
「 ・・・確かに、僕には関係の無いことかもしれませんね 」
「 いえいえ、そんなこと考えてくれるのはあなたくらいですよ 」
「 そんなこと? 」
「 あなたにとって、その情報は必要なものなのですか?
私には、死んでいった者の情報など必要ないように思えますが 」
「 そう思いますか? 」
「 少なくとも、私にはそう思えます。これまでのあなたの行動から考えて、
非合理的なことは好んでいないと理解していたつもりなんですが 」
なんと。人を血も涙も無い生き物のような言われようですな
僕だって、たまねぎを
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