第百七十四話 全曲持って行った理由
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第百七十四話 全曲持って行った理由
亜美は作詞作曲した曲を全てクラウンのメンバーに持って行くことにした、その理由は何故かというと。
母娘で一緒にテーブルに座って熱心に作詞作曲をしている妹を見てだ、亜美の兄がこうしたことを言ったのだ。
「曲なんてな」
「何や、兄ちゃん」
「いや、どの曲がええかとかな」
そうしたことはというのだ。
「自分一人だけ、おかんと二人だけでもな」
「わからへんからか」
「そや、それでや」
こう妹に言ったのである、ついでに母にも。
「作った曲全部持って行けばええんや」
「全部かいな」
「そらもうこれ絶対あかんって曲があったらな」
そうした曲はというのだ。
「持って行って見せるべきやないけどな」
「そうやない曲はか」
「持って行ったらええんや」
「ううん、別にそこまで悪い曲は」
亜美は兄の言葉を受けたうえで母と二人で作詞作曲した曲を全てチェックした、そのうえでこう言ったのである。
「ないか」
「どの曲もな」
特にとだ、母も言うのだった。
「それなりにええで」
「最初に作った曲も」
その最初にしては、と言われた曲もというのだ。
「特に悪くないから」
「これやったら全曲持って行ってもええかな」
「そう思うで、うちは」
「そやったらな」
また言う亜美だった。
「持って行くわ」
「そうするんやな」
「兄ちゃんの言う通りやと思うし」
自分もそう思いだしているのだ。
「それでいくわ」
「よし、そやったらな」
「けれど。よお作ったわ」
ここでこうも言った亜美だった。
「気付けば十曲やさかいな」
「一曲だけのつもりがやな」
母も言う。
「よお作ったわ」
「ほなこの十曲持っていくな」
「あっという間に十曲作ったしな」
作詞作曲の時間はかからなかった、それでだ。
「持っていくわ」
「それやったらな」
「決めたわ」
こうして亜美はその作った曲を全てクラウンのメンバーに見せることになった、ただ一曲だけではなく。
第百七十四話 完
2014・10・3
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