暁 〜小説投稿サイト〜
機神呼嵐デモンベイン
第四部『CHILD'S PLAY 〜邪神暗躍ッ!闇に囚われた少女を救え!だゾ〜』
第13話『何事も決して怯まぬ、揺るがぬ、退かぬ、確固たる信念が大事。その為にも、栄養はしっかり取っておかないとダメだよね』
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か?彼女の周りで不可思議な出来事を頻発したからである。
 ある時は、何の強い衝撃も無いのに窓ガラスが割れる。
 ある時は、ぬいぐるみがひとりでに動き出す。
 それはアリスンの感情が高ぶったり、危険な事に見舞われたりしたときに起こりやすかった。
 例として、彼女に乱暴をしようとした叔父が見えない力に吹き飛ばされ、全身の骨を砕かれたり、車に轢かれそうになった時に、車が彼女を避けるかのように車道を離れ横転したりなどである。
 そういった経緯から、周りは彼女を恐れた。悪魔憑き。バケモノ。そう呼ばれ、忌み嫌われ、彼女はある教会に捨てられたのである。
「あらあら?・・・はじめまして、私はライカ。あなたは?・・・う、アリスンちゃんっていうのね?よし。アリスンちゃん、今日から私はあなたの家族よ。よろしくね?」
 そう、ライカの教会である。アリスンにとって、ライカは両親以外に彼女を人間らしく接してくれた人であった。・・・だが、彼女はライカを信じる事が出来なかった。
 過去に、親戚がアリスンに悪魔が憑いているからと呼んだエクソシスト・・・。ソイツは彼女を拘束し拷問のような除霊の儀式を行ったのである。
 詳しい事は分からないが彼女もまたあのエクソシストと同じ聖職者だ。
 信じる事なんか出来ない。
 ・・・もう誰も信じられない・・・。
「ふぅん、これは中々興味深いね」
「えっ?」
 隣を見れば、長身の美女が座っていた。この人は誰?一体いつの間に入ってきたんだろう。そう思い、叫びそうになる。
「ゴメンゴメン、びっくりさせちゃってさ。怪しいものじゃないよ。君に渡したいものがあるんだ」
「渡したい・・・もの?」
 そういって、顔を近づける美女。その瞳を見て、アリスンは叫ぶのも忘れ見入ってしまう。深淵だ、何処までも続く深淵の闇だ。
「はい、プレゼントだよ」
 そういって、彼女が渡したのは小さい可愛らしいコンパクトだった。
 試しに開いてみる。
「・・・わぁ」
 鏡には一点の曇りのない自分の顔が映った。アリスンはそれの虜となってしまう。
 ・・・そうまるで魅入られたかのように。
「それはね、魔法の鏡なんだよ」
「魔法の・・・鏡?」
 アリスンの問いに、女性はうん。と頷き続ける。
「遠い遠いむかしに、これまた遠い遠い国の、女王様が持っていた鏡。その鏡ならきっと、君の願いを叶えてくれる筈さ・・・」
 本当にそんな魔法のような事が起こるのだろうか?そう思いアリスンが問いかけようと鏡から目を離して、美女に言おうとした時・・・、美女の姿は何処にも無かった。
 ・・・これもまた夢だったのだろうか?そう思い頬をつねってみる。・・・が、夢ではない現実のようだ。そこへ・・・、
「よお、おはようアリスン。起きてたのか」

Side 神之介


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