暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜黒の剣士と紅き死神〜
アリシゼーション編
第一章?七武侠会議編
暗転
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移動すればそうなるだろう。だが、こっちの世界では移動は何も徒歩に限らない。

「ユウキ」
「ん、りょーかい!」

それだけのやり取りでユウキは俺の意図を察する。
元々勘の良いユウキだが、最近はこの様に何もかも見透かされてるかの如く俺の考えてる事を看破する。
それは決して不快な事では無く、むしろ心地の良いものだった。何故かは分からないが。
ユキナの左右の手を取り、消していた翅を2人同時に展開すると地を思いっきり蹴る。ドン、という衝撃音を置き去りに数秒で高空に到達した俺達はユキナをぶら下げながら目的地へ方角を変える。

「あはは。いやー、びっくりしたでしょユキナ。ALOって飛べるんだよ」
無邪気に笑いながらそう言うユウキに、俺はやや頬を引きつらせる。
俺はネットワーク接続関連で色々設定を行っていたため事前のレクチャーはユウキがやったのだが、どうやらALO一番の特長を言ってなかったらしい。サプライズか何かのつもりだったらしいが……飛べる事を知らなかった上でのあの脱出方法は少しマズかったかもしれない。

「そ、そうゆう事は……さ、先に言っておいてくれると、嬉かったよ……」

もう何だか泣きそうな感じだ。びっくりするあまり心拍上昇、自動ログアウトしないだけまだ良い方かもしれない。

「ダメだぞユウキ。こうゆう事は最初に言っておいてやらんと」
「はぁーい……」

ユキナのあまりのビビリっぷりに少し悪いと思ったのかユウキも素直に頷く。
進路はシルフ領から東。《古森》と呼ばれるエリアを越え、サラマンダー領の付近となる。初級フィールドではあるが油断は禁物だ。
サラマンダーは現在シルフ・ケットシー同盟と並んで最大勢力の1つである。単一種族で最大勢力を誇れるのはスペックが戦闘スキル向きであるためだ。ALOはプレイヤースキル重視とは言え、システムアシストが軽視されている訳ではない。ソードスキルが実装されてからは、システムアシストと自身のプレイヤースキルをいかに上手く絡めるかが重要になって来ている。
楽しみが戦闘以外にあるとは言え、力を持つのはやはり強者というのが戦闘系MMOの宿命だ。
要は戦闘に限って言えばサラマンダーは最初からかなりアドバンテージがあるのだ。他種族でもそこそこ慣れて来ればサラマンダーともやり合えるのだが、一番質が悪いのはこの慣れて来た時期である。ステータス的優位を前面に出し、新規プレイヤー狩りをする輩が多いのだ。これは全種族中堅プレイヤーに言える事で無論、サラマンダーにも居る。唯一の違いはシルフ・ケットシーの上層部はその行為を自身の種族に禁止しているのに対し、サラマンダーは禁止していない事だ。
つまり、ここはそう言ったプレイヤー狩りが頻出する地帯でもある。
モンスター以上に、そっちの方が警戒すべき対象だった。

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