アリシゼーション編
第一章?七武侠会議編
暗転
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そして、悠斗もまた立ち上がって部屋の戸に手を掛けた。
「だが、沙良が心配する事は何もない。ーーー《剣帝》を舐めるなよ?」
そのセリフには悠斗の揺るぎない、そして絶対の自信が込められていた。
シルフ領首都スイルベーンに俺達が降り立った瞬間、周囲からは奇異の視線が向けられた。
他種族の領地、それも首都にどうどうと乗り込むヤツは殆ど居ない。余程の用があるか、いきなり斬り掛かられても対処出来るだけの技量があるか、もしくは……畏怖されているか。
「確か、スタート地点は向こうだったか?」
「そうだね」
アルヴヘイム統一デュエル大会決勝で激戦を繰り広げた《絶剣》と《紅炎刀》。アルヴヘイム全土どころか《ザ・シード連結帯》全域に名を轟かせた俺達2人はかなりの有名人となっていた。おまけにアルヴヘイム内ではその2人が恋人同士というのも知られている。
シルフを選んだプレイヤーが最初に転送されるスイルベーンの中央広場に向かって歩き出すと、路を歩くプレイヤー達が脇に避ける。
何だか悪い事をしている気分になるが、別に俺達は立ち塞がったヤツらを斬り伏せて通るつもりは無いし、そもそもシルフ領にいる限り、システム的にも不可能だ。
そもそもシルフとは仲が悪い訳ではなく、寧ろ良い方なのでその心配はまず無いのだが。
そんな中、中央広場は彼らと間接的に関係のある事情でざわめいていた。
騒ぎの中央に居たのは……少し次元の違う美少女だった。
アバターの外見はは主に種族の基本色(シルフなら黄色や緑)を基調とした色合いのアバターになるが、極々少ない確率でレアな配色を引き当てる事がある。
数値ステータス的に他との差は無いが、配色と外見的が他と一線を画す。要はM型アバターならかなりのイケメンに、F型ならば超絶美少女になる。
渦中の人物はそんな幸運の持ち主だったようだ。
装備こそシルフの初期装備だが、膝の辺りまで伸びる淡いピンク色の髪と綺麗な卵型の顔に輝く透き通る様なサファイア色の瞳。身長は160センチ程で自分を興味津々にジロジロと眺めるギャラリーにすっかり怯えているようだ。
「やれやれ、ある意味不幸だったな……」
「早く助けてあげよ」
「分かってる」
人垣を割り、その人物の前に出る。俺やユウキのアバターの顔はリアルと変わらないのでユキナはすぐに誰か分かったようで、安心したように顔を綻ばせた。
「け……レイさん、ユウキ。良かった……」
「お待たせ。……ここだとおちつかないな。場所を移そう」
「分かりました……でも、大丈夫でしょうか?人がたくさん居ますけど……」
ユキナが心配してるのは、移動した先にも人がたくさんついて来るのではないかということだ。
恐らく徒歩で
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