第6章 流されて異界
第103話 試験直前
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亡状態に移行したとしても、俺に天寿が残されて居て、且つ早期に適切な処置が行われ、その上、俺自身。俺の魂が冥府で出される食事に手を出して居ないと言う条件を満たして居たのなら、死亡状態からでも回復する事は可能なので、俺を殺す方法としての毒殺と言う手段は、完全に成功させるには可能性が非常に低い方法だとは思いますけどね。
「……と言う訳やから、くよくよと思い悩んでいても仕方がない事は考えない事」
確かに今、俺が置かれている立場がハルケギニアとは違い過ぎるので、少し気が弛んで居たのは事実でしょう。……なのですが、その事に早い段階で気付かされたのは良かった。
少なくとも、朝比奈さんや弓月さんが既に修正済みのはずの世界――。消えて終ったはずの平行世界での出来事を記憶している可能性が有る以上、未だこの世界は不安定な状態である事が確認出来たのですから。
「それで、俺が突然倒れた理由は適当にでっち上げてくれたんやろう?」
ハルケギニアで同じような事が有った時は、医者に連れて行かれるなどと言う事は有りませんでした。しかし、それはあの世界には医術よりも確実な魔法が有ったから。そして、タバサが魔法使いとして一流だと言う事もあの場に居た全員が知って居たので、そのまま俺が暮らして居た彼女の部屋に運び込んでくれた。
しかし、この世界は魔法が表向き存在しない事に成って居る世界。更に長門さんは、表面上は普通の……と言うとかなり問題が有るような気もしますが、それでも表向きは普通の少女として生活をしている。
それに、流石に俺が長門さんの部屋に居候状態だとは、関係者以外は誰も知らないはず、ですから。
「あなたには、朝倉涼子が用意したお茶に含まれていた成分に対して、過剰に反応するアレルギーがある事と成って居る」
一瞬だけ俺から視線をずらし、何故か虚空を見つめた後に長門さんがそう言った。その時に彼女が発したのは……多分、後悔に近い雰囲気。
あの時に倒れかけた俺を支えた。いや、正面から受け止めたのは万結。それに、健康茶の入った湯呑を弾き飛ばしたのも万結。
おそらく、その後の状況も彼女の主導で推移したのでしょう。
倒れかけた俺を支えて。……いや、下手をすると全員が見ている目の前で俺を抱き上げ、何処かに運ぼうとする万結。
彼女が言葉を費やして、自らの行為に関してその場に居る人間に説明を行う可能性はゼロ。
精霊を友と出来る存在に取って俺程度の体重などないに等しいので、彼女が俺を抱き上げるのは問題ない。運ぼうとする先は……人の目のない場所。
健康茶の中に含まれて居る何が俺の意識を跳ばしたのか判らないので、簡単に魔法で回復させられるとは限らない。……のですが、それでも表の世界の医療技術に頼るよりは早いし確実。
少なく
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