十二幕 これからはずっと一緒だよ
4幕
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ビズリーは倒れた仲間の内、ルドガーの前まで来て、大きな掌でルドガーの頭部を持ち、そのままルドガーを持ち上げた。
「ぐ…っ」
かしゃん、かしゃん、と地面に落ちたのは、真鍮と銀の懐中時計。
「やはりユリウスの魂で〈橋〉を架けたか」
「ち……がう」
がっ、とルドガーがビズリーの腕を両手で掴み返した。しかしビズリーの手はびくともしない。
「架け橋になって、くれたのは…っく…フェイだ……誰かと何かを分け合って、束ねて一つの力にする…あんたには、絶対、っ、分かんねえだろうが、な…!」
「――どうあれ判断ミスに変わりはない。お前の死も、あの娘の死も」
ビズリーが真鍮の時計を無残に踏み潰した。
すると同時に、エルの胸元が光った。
「お姉ちゃん、それ……」
「パパの時計!」
分史世界の物質は正史世界の〈本物〉に阻まれて存在できない。ではその本物が壊れたら? これが答えだ。
「ルドガーああああああっ!!!!」
エルが起き上がり、走り出した。半身が時歪の因子化して、とんでもない激痛がするはずの体で、走ったのだ。
ルドガーもエルの意図を理解した。
ルドガーはビズリーの顔面に蹴りを入れて、ビズリーが怯んだ隙に地べたに落ち、すぐさま立って駆け出した。
「エルーーーーッッ!!!!」
エルがルドガーを、ルドガーがエルを目指して、一直線に、世界に二人しかいないかのように、走る。
ビズリーは拳から気焔を放った。それはエルの小さな体に直撃する――ことはなかった。
フェイがルドガーとエルを囲んで光の籠を編み上げていたからだ。ビズリーの拳が放つ気焔は、エルに、ルドガーに届かずして打ち消される。
「もう誰も! ふたりの間に入らないで!!」
「小娘がァ!!」
フェイはひたすら、ひたむきに、彼らの盾が押し負けないように術にマナを注ぎ続けた。
ルドガーとエルの手が重なる。エルから真鍮の時計がルドガーの手に渡る。
――そして、金が炸裂した。
巨大な光柱を払う槍の主の鎧は、漆黒にして清白。人が持ちうる精霊の力の一つの極致がそこにあった。
(精霊の力を、キレイ、なんて思う日が、わたしに来るなんて)
フルプレートアーマーの骸殻を纏ったルドガーは、抱えていたエルを下ろすや、ビズリーに肉薄して槍を揮った。
エルは下がる拍子に、安心したからかふらりと倒れる。
フェイは急いで瞬間移動し、エルが地面にぶつかる前に受け止めた。フェイはエルを強く抱いた。大丈夫だ。まだエルの鼓動は腕の中で打っている。
「ルドガー、お前は――!」
「うおおおおっ!」
二人の男の咆哮が、刃
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