十二幕 これからはずっと一緒だよ
２幕
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「己がために兄を踏み台にするとは、実に人間らしい」
「違う！ 俺はユリウスに託されて、勇気を貰ったから、ここに立ってる！」
ルドガーが骸殻を解いて着地し、双剣を抜いた。
それを合図にしたように、ミラたちも並んで武器を構えた。
フェイも、無手ではあるが、霊力野に意識を集中し、いつでも大技を放てるように準備した。
「『万物に宿りし生命』！」
「『その息吹をここに』！」
「「リザレクション!!」」
エリーゼとレイアが展開した巨大な虹色の魔法陣が、〈審判の門〉全域に広がった。体が軽くなる、呼吸がしやすくなる。
最大級の回復術によるサポートを受け、ルドガーたちは一斉にクロノスに飛びかかった。
一番槍はミュゼだった。小さな魔法陣をいくつも展開し、魔法陣からそれぞれに異なる属性の光球を放った。
クロノスは当然、ビットを防御に当てる。
そこを見込んでガイアスが斬り込んだ。長刀で、ミュゼの放つ光球に合わせ、無数の刺突をくり出す。
「小賢しい！」
クロノスがガイアスとミュゼに向けて、まとめてレーザーを放った。
フェイはここで前に出た。フェイは一番前で掌を差し出した。ノーアクション・ノンスペルの精霊術――〈妖精〉の真価を遺憾なく発揮する。
後ろの仲間たちを紫電のドームで保護した上で、闇をレーザーにらせん状に這わせてレーザーを絞り消した。
ふり返らない。呼びかけるまでもなく、ジュードとミラがフェイの両側を横切って走って行ったから。
ジュードが下から、ミラが上空から、クロノスを縦に挟み撃ちにした。さすがのクロノスも彼らの連撃に傾いで、地上へ降りて来た。
最後のフォローといわんばかりに、ローエンがクロノスの直下に描いた陣に氷のマナを注ぎ、アルヴィンが大剣を陣に突き立てた。
「「守護氷槍陣！」」
直後、地面から氷の花が咲き、クロノスの下半身を凍らせて捕えた。
『ルドガー!!』
「うおおおおっっ!!」
ルドガーが駆けた。クロノスの間合いに入るや、ルドガーは骸殻に変身し、槍をクロノスに突き立てた。
刺さりは浅いが、ルドガーの槍は姉エルの“無”の加護を受けた槍。これにはクロノスも苦悶の声を上げて下がった。
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