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鋼の魔神と月の光
第一話
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サ。そんな彼女達に学園長は言った。

「何なら、ここの生徒になったらどうじゃ?」

「ここの生徒に?」

「そうじゃ。それなら、寮に住む事は出来るぞい。」

行くあての無い二人にしてみれば渡りに船な提案をする学園長。だが、あまりにも話がうま過ぎた。

『で、どう言う思惑があるわけですか?』

「ふむ。教育者として君たちのような子供を放り出すと言うのは気が引けると言うのではダメかのう?」

「だが、同時に夜の一族と言うものが本当に人に害をなさない存在と言う証拠が無いので世の中に放り出す事が出来ないと言うのもあるのだろう?」

「むう・・・」

学園長は綺麗事で取り繕おうとしたが、エヴァに指摘されてしまった。だが、アリサは大して怒った様子では無かった。

『そう言う事なら納得は出来ないけど仕方ないわね。私たちは今日会ったばかりの他人だからそう簡単に信用出来ない。特にあなたは魔法使いのトップみたいだから、責任ある判断が必要みたいだし。』

「分かってくれるかのう?」

『とりあえず、私はこの提案に乗るのは悪く無いと思うわ。すずかはどう?』

「私もそう思うよ。」

「うむ、決まりじゃな。すずか君。君は今中学生かのう?」

二人の答えを聞いた学園長はすずかに尋ねた。

「はい。中学二年生です。」

「ならば、このタカミチ君が担任をしている2年A組に編入させるとしよう。」

「分かりました。これからよろしくお願いします。」

すずかは丁寧にタカミチに対してお辞儀をする。

「こちらこそよろしく。そう言えば自己紹介がまだだったね。僕はタカミチ・T・高畑。魔法関係の出張が多いからあまり学校に居る事は少ないから、何かあったらエヴァに頼ってくれるかい。彼女も2-Aの生徒なんだ。」

「エヴァンジェリン・A・K・マクダウェルだ。別に頼って来ても構わんが、その代わり夜の一族についてもっと詳しく教えて貰うぞ。」

「うん。よろしくね、エヴァちゃん。」

「では、早速入学の手続きをするかのう。」

そして、学園長は入学に必要な書類を取り出すのであった。


続く

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