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鋼の魔神と月の光
第一話
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うのかね?」

「いえ。確かに私たちが生きるのには人間の血が必要ですが、大抵は輸血用の血液を分けて貰っています。」

「なるほどのう。それで、君たちが現れた時に感知されたあの魔力は何じゃ?」

『それは多分、私たちがこの世界に来るのに使った時空転移装置の魔力ね。』

今度はアリサが答えた。

「時空転移装置?」

『そう。一回使うのに物凄い魔力を使うから、チャージに凄い時間がかかるの。その上、飛ばす人に物凄い負荷をかけるから、夜の一族のすずかと幽霊の私じゃなきゃ耐えれなかったわ。』

そう堂々と“嘘”の情報を告げるアリサ。そんな彼女にすずかが念話で尋ねる。

(アリサちゃん。何でそんな嘘を・・・)

(流石に、手の内全部見せる訳にはいかないでしょ。それに、よくわからないけど鋼は使えない状態だし。)

「ふむ・・・まあ、今はそう言う事にしておいてやろう。」

エヴァはこの場では納得した事にしてくれるようだ。

『さあ。私たちの説明は終わったわ。次はあなた達が説明してちょうだい。』

「わかっている。と言う訳でジジイ。後は頼んだぞ。」

「ワシに丸投げか!?まあ、別に構わんが・・・」

エヴァの対応にため息をつく学園長。だが、気を取り直して説明を開始した。

「この麻帆良学園都市は埼玉県にある日本最大級の学園都市じゃ。そして、関東魔術協会の本部と言う裏の顔も持っておる。」

『関東って事は、関西には別の組織があるって事ですか?』

「そうじゃな。関西呪術協会と言うんじゃが、この話はまた今度でいいじゃろう。」

『そうですね。なら、とりあえずそちらの魔法を少し見せてもらえませんか?』

「別に構わんぞ。」

そう言って、学園長は懐からオーケストラの指揮棒のような小さな杖を取り出した。

「プラクテ ピギ・ナル 火よ、灯れ!」

そして、呪文を唱えると杖の先端に小さな炎が灯った。

「どう?スノーホワイト?」

《魔力の運用に少し違いがあります。魔導師の魔法のように体内の魔力のみで魔法を行使しているのではなく、体内の魔力を起爆剤に周囲の魔力を動かしている模様です。》

「そんな事まで分かるのか!?」

学園長の魔法を分析するスノーホワイトを見て、エヴァは驚愕する。

《はい。専用の計測器に比べれば劣りますが、ある程度は可能です。》

「君たちの世界の技術はかなり凄いようじゃな。」

スノーホワイトの言葉を聞いて関心する学園長。

「ところで、君たちはこれからどうするのかね?」

「どうするって言われても・・・」

『そう言えば、逃げるのに精一杯で逃げてからどうするか考えて無かったわね・・・』

学園長の言葉に頭を悩ませるすずかとアリ
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