春奈-クラスメート-part1/再会の世界
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に、ルイズとシエスタの目つきが鋭くなったのだが、サイトはハルナのことで頭がいっぱいだったのか全く気づきもしなかった。
「え?私を知ってる…?…って!」
サイトに名前を呼ばれ、彼女はサイトを見る。途端に彼女はサイトの顔を見て、目を見開いた。まるで自分の見ているものが現実とは思えないのか、サイトの顔に触れ始める。
「え?あの…高凪さん?」
女性のしなやかな手の感触がくすぐったく、かつ触られた感触が心地よくてサイトは顔を染めて固まってしまう。
「……本当に……平賀君…なの?」
「…うん。そう、平賀才人だよ」
「…………!!」
サイトが自ら名乗ると、開かれた彼女の眼からあふれんばかりの涙が流れ落ちた。
「本当に…本当に平賀君なんだ…うええええええええええええええん!!!」
「おわあ!!?」
さっきまで倒れていた人間とは思えない勢い余ったダイビング力のあまり、サイトはハルナに押し倒されてしまった。すぐに立ち上がろうとしたものの、彼女のすすり泣く声が聞こえてきて、立ち上がろうにも立ち上がれなかった。
「ひっく…本当に、平賀君なんだよね?幽霊なんかじゃないよね?宇宙人が化けた偽物とかじゃないよね?」
涙目なうえに上目使いで自分をまっすぐ見てくるから、サイトは思わずどきっと胸の鼓動を感じた。
「う、うん…久しぶり。それと…心配かけてごめん」
照れながらも、サイトはハルナに、一人地球から消えたことを詫びる。
「…うぅん、ちゃんと生きてたんだもの」
涙を拭きながら、ハルナは笑みを見せていた。一体何か月ぶりとなるのだろう。クール星人の企みによって引き裂かれた二人、一方があの事件の爆発の中、異世界に飛ばされていて、一方は助けられただけでただ見ていることしかできなかった。残された方が死んだとしか思えなくてもおかしくなかった。何度も、サイトの存在を諦めようと思っていた。でも諦めきれなくて、だから日々異世界とか宇宙とか、そんな分野の図書にすがったり、空虚な日々を送っていた。
だけど、また会えた。彼の笑顔、彼のにおい、声、そしてぬくもりを、やっと取り戻すことができた。ハルナはサイトの存在を間近に感じ、サイトとの奇跡的な再会に酔いしれた。
「ちょ…ちょっとあんた!なんで人の使い魔に抱き着くの!?離れなさいよ!」
「そうです!サイトさんから離れてください!」
が、それを許さない野暮天もいたのだった。
「使い魔ってなんですか?平賀君はれっきとした人間です!それを使い魔呼ばわりするなんて、いったいあなたはなんなんですか!?」
怒鳴ってきたルイズたちに不快感を覚えたハルナがキッとルイズたちを睨み返す。予想外にも相手から睨み返されたことに二人はうろたえる。
「確かに、人間を使い魔にしてるなんて思わないわよね」
「外野は黙ってなさい!」
茶化すキュルケ
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